9月28日 その3008 『逢坂誠二の徒然日記』(4652)
掲載日:2015.09.28
昨日、千葉市で用務があり、
今日は都内で朝を迎えた。
夜明け前の気温は
21度程度と過ごしやすい。
1)189通常国会
25日で、事実上閉会となった通常国会だが、
27日が会期末で、ルール上も閉会となった。
通常国会としては戦後最長の245日間に会期は及んだ。
そして当初の予想されたとおり、
安保法制を巡り酷い国会となった。
安保法制は、11本もの法律案を
2本に束ね直して審議させられ、
強行的に採決された。
課題だらけの法案だ。
何ともいっても大きな問題は、
憲法に反すると数多くの指摘があることだ。
平和主義をかかげ、
戦争の放棄、戦力の不保持、
交戦権の否認を規定する日本国憲法のもとで、
集団的自衛権は行使できないとされてきた。
ところが今回の法律によって、
その解釈を180転換し、
日本を攻撃していない国に対しても、
ある一定の要件のもとで武力行使できることになった。
これは憲法の規定を
法律によって書き換えることになり、
法律による憲法への下剋上であり、
断じて許すことはできない。
こんなことを認めてしまえば
法によって国を治める法治国家の基盤が壊れてしまう。
絶対に行ってはいけないことを
安倍政権はやってしまったのだ。
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二つの目の問題は、
今回の安保法制をなぜ制定するのか、
その理由が曖昧だ(すなわち立法事実がない)ということだ。
総理は繰り返し、
ホルムズ海峡への機雷敷設によって
日本に石油が来なくなることや、
米艦船に乗船する母子の例を引き合いに出して、
自衛隊の海外活動範囲の拡大を説明した。
しかし国会審議の中で、
それらの例は非現実的であることが
明らかになった。
つまり総理が主張する法制定の
理由、根拠がなくなったのだ。
審議の後半で安倍総理は、
日本の近隣諸国の軍事的圧力の高まりを理由にして、
安保法制の必要性を主張したが、
それは日本に対する直接的な影響であり、
個別的自衛権の問題だ。
それにも関わらず集団的自衛権を認める法律を
強引に成立させてしまった。
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三つの目の問題は、
多くの国民が反対する中で成立させてしまったことだ。
安倍総理は、成立すれば、
いずれ国民は理解する旨の発言をした。
また多数で決めるのが
民主主義であるかのような発言もした。
これらはいずれも、
民主主義を理解しない独裁的な手法だ。
政策を決める過程、たとえば議会の場で、
多様な意見を戦わせて、
少数者の意見にも耳を傾けるのが民主的なやり方だ。
単に多数決で決めるのが民主主義だとするならば、
議会での議論などは全く意味のないものになってしまう。
仮に多数を握っていたとしても、
法案審議の段階で、
反対意見があるならば、
それに十分配慮しつつ、
審議時間を十分に確保することが必要だ。
その結果、法案の修正や
撤回をすることが求められる。
何が何でも原案のまま強行的に押し通すならば、
選挙で多数を握れば何でもやれることになってしまう。
確かに国民は、
今の与党に多数の議席を与えたが、
白紙委任状を渡したわけではない。
安倍総理の発言を聞いていると、
民主主義は単なる多数決と
はき違えている印象を受ける。
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今回の189通常国会は、立憲主義理解せず
日本の法治国家としての基盤を壊したこと。
戦後日本の平和の歩みを無視し、
平和主義の実質的転換を行ったこと。
多くの国民の反対の中で権力の考えを強要し、
数の力による危うい民主主義を振りかざしたことなど、
歴史に残る酷い国会となった。
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しかし、私たちは、忘れてはならない。
特に安倍総理が指摘する
「法律が制定されれば、いずれ国民が理解する」旨の発言に、
結果として乗せられるようなことがあってはならない。
今国会で行われたことを絶対に忘れず、
次の選挙、さらに次の選挙で、
今の与党の議席を一つでも減らし、
今回の違憲と指摘の多い安保法制を
廃止しなければならない。
昨日は、中秋の名月だった。
そして今日は、満月。
さらに今日は、地球と月の距離が
今年最も近くなり、356,877km。
(ちなみに最遠は3月6日で、406,150km)
月の大きさが3月よりも
一割程度大きく見えるという。
今日は朝のうちに札幌に移動、
さらに午後は函館で、
それぞれ仕事を行う予定だ。
今夜は函館で、
大きな月が見られるだろうか。
さあ今日も、確実に前進します。
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2015・9・28
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