徒然日記

11月14日 その3055 『逢坂誠二の徒然日記』(4699)



起床後、パリからのニュースに釘付けになる。

パリ市内のレストラン、サッカー競技場、コンサート会場で、
同時テロ(?)が発生したようだ。

既に死者は60人との情報に加え、
コンサート会場では
100人が人質になっているらしい。

ウズベキスタンでもテロの問題を深く考えさせられたが、
なぜこんなことが発生するのか、
その遠因を改めて
考えてみなければならない。

近因ではなく、遠因をだ。

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「近因は見易くして遠因は弁じ難し。
近因の数は多くして遠因の数は少なし。
近因は動(やや)もすれば混雑して
人の耳目を惑わすことあれども、
遠因は一度びこれを探得れば確実にして動くことなし。」

これは福沢諭吉の『文明論之概略』からの引用だ。

私たちは、近因に捕らわれて
遠因を探ることを忘れている場面が多い。

1)BPO
NHKのやらせ問題に関し、
報道の自由に対する
政治の介入問題が取りざたされている。

報道の自由は、民主主義の根幹であり、
なんとしても守られねばならないものだし、
そこに政治の意図が含まれるようであれば、
健全な民主主義は成り立たない。

しかしどんなに報道の自由を標榜しようとも、
政治の介入がなかろうとも、
報道の自由を守れないことや
不都合が生ずることもあるだろう。

そんなときのためにBPOが設立されている。

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放送倫理・番組向上機構(BPO)とは、以下のようなものだ。

「放送における言論・表現の自由を確保しつつ、
視聴者の基本的人権を擁護するため、
放送への苦情や放送倫理の問題に対応する、第三者の機関。
主に、視聴者などから
問題があると指摘された番組・放送を検証して、
放送界全体、あるいは特定の局に意見や見解を伝え、
一般にも公表し、放送界の自律と放送の質の向上を促す。
(※BPOはNHKと民放連によって設置された第三者機関。」

BPOは、今回NHKクローズアップ現代のやらせ問題も検証した。

その結果、BPOは今回のNHKクロ現問題に関し、
「報道番組で許容される範囲を逸脱した表現」であり
「重大な放送倫理違反があった」とした。

つまり平たく言えば「やらせ」があったと認定したようなものだ。

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これに関し、自民党のヒアリング実施に関し、
放送への政治介入などとの批判が上がっている。

確かに自民党、特に安倍総理自身は、
過去にもNHK番組への介入疑惑があり、
政権与党のヒアリングは相当に
慎重であれねばならない。

番組内容に関し、
政治的な介入があってはならないのは当然のことであり、
私は巷に流れているあまたの政治介入批判には賛同する。

しかし今回のNHKクロ現のケースは、
放送の自由とはちょっと違うのではないかと思う。

放送の自由以前の放送番組作成上の
「やらせ」という基本姿勢の問題だ。

こんなことまで政治は、
目をつぶらなければならないのか。

そもそもの放送に携わるものとして
放送の自由を守るための
基本姿勢が如何かが問われているのであり、
それは放送内容以前の問題だ。

こうしたことまで政治的な発言ができないとすれば、
そもそも放送法は意味をなさないことになる。

報道の自由を脅かすような政治的介入は
絶対ダメなのは言うまでもない。

しかし今回のマスコミ各社の姿勢は
BPOや報道の自由を隠れ蓑にした逃げのように感ずる。

特にNHK執行部は、
この問題で逃げ回っているように思われるが、
もっと明確に今回のクロ現事案の問題点を認識し、
それをどう克服するのかを、早急に明らかにする必要がある。

そうしなけば、真の意味で報道の自由は守れない。

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今回、自民党のヒアリングが批判を受け、
今後、こうしたことが行われないことも予想される。

それは一般論としては健全なのかもしれない。

しかし表面上、そうしたヒアリングは行われないが、
裏で官邸とNHK執行部に蜜月関係があるとすれば、
その傷はもっと深い。

NHKクロ現問題は、
単なる放送の自由問題ではないことを
肝に銘ずるべきだ。

耳に聞こえの良い一般論に惑わされずに、
何が核心なのかを確実に見極める力が必要だ。

2)ウズベキスタン その2
タシケント空港で一時間で
入国手続きを済ませ
入国管理エリアから到着ロビーに出る。

当然そこは、出迎えの人やガイドなどで
ごった返していると思った。

ところが入国した我々以外の人影が見当たらない。

何とも不可思議。

人のいないロビーにいても仕方がないので、
到着ロビーから建物の外に出るが、そこにも人はいない。

たくさんの人がいるのは、
そこから15メートルほど離れたフェンスの外だ。

そこに向かわなければガイドさんにも会えないだろうと思い、
狭いフェンスの間から外に出ると、まさにごった返すの表現通り、
多くの皆さんが、「タクシー?」などと叫びながら客引きをしている。

おおまさにこれなどと納得しながら人ごみを抜けると、
漢字で「逢坂様」と書いた紙を持った、
今回のガイドのサイーダさんが待っていた。

用意された乗用車に乗り込んでホテルに向かう。

「皆さんは、空港の中に入れいないのですか?」

「搭乗する人しか中に入れないのです。」

「そりゃ不便ですね。」

「テロの心配があるので、
限られた人しか中に入れないのは仕方がありません。」

ホテルに向かう車内で、こんなやり取りをした。

サイーダさんの日本語は流暢で、非常に分かりやすく安堵。

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タシケント市中心部のホテルに到着。

ホテルのドアを押して中に入ると、耳をつんざく大音響。

ドア正面奥がダンスホールのようだ。

たぶんダンス大会でもやっているのだろうか。

時々ダンスホールのドアが開くと、さらに音が大きくなり、
流れる音楽の種類は違うが昔の日本のディスコのようだ。

大きな音に驚いていると、
サイーダさんは「結婚式をやっているのよ」と言う。

「えっ、結婚式?」

夜9時を過ぎているが、確かに着飾った小さな子どもたちも多い。

ウズベキスタンの結婚事情いろいろとあるらしい。

それは、次回。

さあ今日も、確実に前進します。
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      2015・11・14
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