12月25日 その3411『逢坂誠二の徒然日記』(5108)

掲載日:2016.12.25

今月初め、母方の伯母が亡くなったが、
国会日程のため、弔問ができなかった。

そのため昨夜、ニセコ入りし、
今日は、近隣の海の町に眠る伯母のもとへ
お参りに向かう予定だ。

ニセコの朝の気温は、氷点下10度。

函館に比べると雪も格段に多く、さすがに寒い。


1)安倍総理は何をしたいのか

昨日も、安倍総理は何をしたいのかについて言及をした。

経済面でも、本当に何をしたいのか、それがよく分からない。

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現在の世界経済の課題の一つは、
資本経済が実体経済の3〜4倍の規模に拡大し、
資本経済に対し、有効な歯止めが効かないことだ。

実体経済とは、
価値のある物やサービスを
実際に売買する活動であり、
これは経済の基本だ。

資本経済とは、この実体経済を基礎にして、
株や為替などの取り引きをする活動であり、
本来は実体経済を円滑に進めるために
副次的な役割を果たすべきものだろう。

ところが現在は、
この資本経済が価値のある物やサービスの売買の
3〜4倍の規模に拡大し、
資本経済が実体経済を席巻する有様だ。

これにより、どんなに物が売れようとも、
例えば為替の変動によって企業は一気に赤字を抱え込んだり、
逆に実際には物の売り上げが伸びていないのに、
一気に黒字になったりを繰り返している。

これは実体経済が経済の基本であるはずなのに、
極めて不健全な現実だと感ずる。

価値のないところに価値が生まれ、
価値のあるものが一気に無価値になるという、
ある種、バクチ的な性質を
世界の経済が抱え込んでしまった。

しかもこの資本経済に流れ込む資金は、
極めて流動性が高く、
瞬時に世界中の市場を移動し、
制御できないのが現実だ。

これは、昨日今日に始まったことではなく、
20世紀初頭から先進国を中心にこうした現実が生まれ、
現在は、それが世界のさらに広い範囲に及んでいる。

こんな現実の中で、
濡れ手に粟のような資本経済への依拠から脱却し、
実体経済を確実なものすることが重要だ。

実際には働いて価値を生み出したことと、
それによって得られる収益とが、
一致することが大切なのだと思う。

ところが現実には、
どんなに働いても収益が上がらない方々がいる反面、
実際の価値を生み出す労働は少ないのに、
巨額の富を手にする方々も多い。

自国の利益だけの確保に拘らずに、
この乖離を世界規模で埋める工夫が求められている。

国内外ともに、実体経済の活性化、具体化と
資本経済の制御が重要だ。

特に国内的には、実体経済の活性化、具体化に力点が、
国際的には、資本経済の制御により力点が置かれる必要がある。

そのために世界の指導者が、胸襟を開いて、
日常的に世界経済の現実について話し合う必要があり、
実体経済の現実に見合った、
資本経済の流れに配慮する必要があろう。

もちろんこれは簡単ではないが、
そうしたことに感度の高い指導者の集まりが
必須なのだと思う。

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安倍政権の経済の政策は、
次のようなものだと理解している。

市中の資金量を増やして資金を借り易くする
株高を誘導し企業収益を増大させる
 → これによって設備投資、経済規模を拡大する
  → さらに企業収益が増大する

公共投資も増加させ、実体経済を支える

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この具体策として、
次のようなことを行なってきた。

日本国の借金を日銀が積極的に買う
(現在は400兆円あまり日銀が買った)

金利を低い水準に保つ
(今はマイナス金利政策)

国民の積み立てた年金掛け金などで、
より積極的に株を買ったり投資をしたりする

当初予算、数次の補正予算で公共投資を増やす

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この結果、どうなっているか。

日銀が多額の資金を市中に放出する準備をしたが、
民間企業の借り入れは微増で、
設備投資や経済活動の拡大につながらず。

一方、国債買入によって日銀の総資産が、
この9月末で、457兆円となり、これはGDPの90%近い。
(諸外国は20%あまり)

その内、国債が398兆円。

公共投資も増やしたが、
例えば渡島桧山管内の昨年度の公共投資額は、
過去10年で最低水準。
(つまり全国にお金が回っていない)

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今後、何がおきるのか。

日銀の日本の借金を買入政策は、
ほぼ限界に達しつつあり、
これ以上、金融緩和策が続けられない可能性が高い。

そうなれば株価が下がる可能性がある。

国民の年金積立金で買った株も当然下がる。

その年金の損を少なくするために、
少しでも株価の高いうちに放出すれば、
株価はさらに下がる可能性あり。

こんなことも想定される。

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私には、安倍政権の経済政策は、
国内実体経済の現実を見ていない、
資本経済に依拠した雰囲気の強いものに見える。

これでは現実の経済の課題は乗り越えられない。

グローバルに活動を展開する企業は、
資本経済に翻弄されざるを得ない。

だから鍵は、中小企業、一次産業を
中心とする実体経済の刺激策だ。

安倍政権は、ここが完全に弱い。

一次産業、その二次加工、 再生可能エネルギー、
医療福祉、教育などの質の確保、
食料とエネルギー自給率の向上、
こうした分野に力を注ぐことだろう。

また国際的には、各国の事情に配慮した、
資金流動性の抑制が必要だが、
現実を見る限りは、
ここは完全に制御不能になりつつあり、
今後の世界の大きな不安要素だ。

だから足元の自国の利益に拘らない、
国際協調の枠組みが必要なのだと思う。

これはTPPなどブロック化した
経済圏を作ることでは解消されない。

TPPなどでは、構成圏各国内の変化が読みきれず、
それぞれの国で混乱を来す恐れがあると同時に、
圏域外の国との対立が助長される懸念がある。

世界各国の主権を尊重しつつ、
世界が緩やかに連帯する仕組みを構築する必要がある。

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経済は、民主主義の枠内では制御できない、
嫌な局面に突入しつつあるが、
この局面を打開できるのは、
政治の力しかない。

政治が本領を発揮すべき局面だと思うが、
安倍総理が、そうしたことを理解しているのかどうか、
極めて悩ましい状態が続く。

こうした点について、年明けになったら
自民党議員とも勉強会ができないかと思っている。



さあ今日も、確実に前進します。
==  2016.12.25  ==

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