21年3月23日 その4960『逢坂誠二 の徒然日記』(6657)

掲載日:2021.03.23

今日は彼岸明けです。

都内は5度まで気温が下がりました。

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原子力発電所から半径30キロ圏内に位置する自治体は、
災害対策基本法42条の規定により
原子力災害に備え避難計画を作成しなればなりません。

その際には、
原子力規制委員会の原子力災害対策指針に基づいて
作成することが義務付けられています。

以下は、その指針の抜粋です

==抜粋引用==

(5)防護措置
原子力施設の周辺に放射性物質若しくは放射線の異常な放出又はそのおそれがある場合には、以下の防護措置を実施しなければならない。

1 避難及び一時移転
・PAZにおいては、全面緊急事態に至った時点で、原則として全ての住民等に対して避難を即時に実施しなければならない。
・UPZにおいては、数時間以内を目途にOIL1を超える区域を特定し避難を実施する。
・UPZ外においては、放射性物質の放出後についてはUPZにおける対応と同様、OIL1及びOIL2を超える地域を特定し、避難や一時移転を実施しなければならない。

各種の輸送手段、経路等を考慮した避難計画の立案が必要である。
病院、介護施設、学校、公民館等の避難所として活用可能な施設等に、気密性の向上等の 放射線防護対策を講じておくことも必要である。

==以上、抜粋引用終了==

PAZとは原子力発電所から概ね半径 5キロ圏内、
UPZとは概ね半径30キロ圏内です。

OIL1とは地上1mで計測した場合の空間放射線量率が 500μSv/h、
OIL2とは20 μSv/hを意味しています。

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色々と難しいことが書いてありますが、結論的には、
一定の放射線量を超えた場合は、
避難や一時移転をすることを計画に盛り込みなさい
と言っているに過ぎません。

その際には、
「輸送手段、経路等を考慮した避難計画の立案が必要」であり
「避難所として活用可能な施設等に、
気密性の向上等の 放射線防護対策を講じておくことも必要」と、
至極当たり前のことが記載されています。

放射線量が高まって危機が来たら逃げろ、
というのは当然のことなのですが、
本当に逃げられる計画を作成できるかどうかが鍵です。

「輸送手段や経路等を考慮した避難計画の立案が必要」との記載にも
何の異論もありませんが、
それらを考慮して実効性のある避難計画が作成できるのかが問題です。

私の質問に対する答弁書(平成 27年10月10日付)では、
「原子力災害指針に基づき
(避難)計画を作成することとされているため、
既に実行性のある計画が作成される仕組みとなっている」
と答えています。

この答弁書を読んだとき、私は愕然としました。

「ある一定の危険が来たら避難する計画を作成しなさい」
というのが政府の指針ですから、
それを守ることができれば、
実行性のある避難計画にはなるものと思います。

しかし本当にそれが作成できるかが最大の問題なのです。

つまり政府の答弁や指針は何も言っていないのと同じなのです。

野球の試合で、ホームランを打てとの指示を出す。
その指示に従えば必ず試合に勝てる。

私にはこれと同じことのようにしか思われません。

北海道のある自治体の避難計画には次の記載がありました。

==以下引用==
避難所への住民等の移動については、移動が円滑に行われるよう必要な車両等の確保に努める。必要な車両が確保できない場合には、道に車両等の支援要請を行い、道及び道の要請に基づく防災関係機関の車両等の応援を受けて実施する。それでもなお車両が不足した場合は、避難を必要とする地区内の乗用自動車の所有者等の協力を受ける。
==以上引用終了==

この記載を要約すれば以下です。

(町長は、)避難車両の確保に努める。
それでダメな場合は、北海道に支援要請を行う。
それでもダメな場合は、個人所有の車をお願いする。

つまり肝心な移動手段に関し、
具体的なものは何も書かれていないのが実態です。

原子力について
日本は安全神話に取り憑かれていたと、
今になって反省していますが、
今後は避難計画万能主義に陥らないように
気をつけねばなりません。

また政府の指針を読んでいると、
避難がダメな場合は、
屋内退避との記述が随所に見られます。

屋内退避は、屋外にいるよりは、
被爆線量の低減にはなりますが、
被爆ゼロではありません。

つまり重篤な事故が発生した場合、
政府の考え方は被爆を前提にしている
とも読み取れます。

これが原子力防災の現実であることを、
私たちはもっと知るべきです。

今日もブレずに曲げずに、確実に前進します。
===2021.3.23===



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