12月31日 その1260『逢坂誠二の徒然日記』

掲載日:2010.12.31



今年もいよいよ大晦日となりました。

私は政権交代をしたなら、幾つかやらねばならないと思っていたことがあり、現
在、その実現に向かって進んでいます。

一方、私は、この25年あまり、日本の大きなあり方についての議論が十分では
なかったと感じています。そのため現在の日本は、進むべき大きな方向が定まら
ず、その場しのぎの場当たり的対応に終始せざるを得ない状態になっています。

経済、外交、防衛、教育などを含むこの日本の大きなあり方を議論し、その方向
を定めることは簡単な作業ではありません。しかし、この大作業に早急に着手し
なければ、日本の将来は危ういと考えております。このことはいずれ、また日を
改めて書く時期が来ようと思っています。

それに加えて、政権交代を果たしたなら、より具体的に取り組むべき個別の事項
は次のとおり等と考えていました。


1)日本の民主主義の質を高める

・国家予算の公開性を高める
・公文書管理の仕組みを強化する
・情報公開関連法制を見直す
・行政不服審査法制を見直す
・参議院の独自色を強化すること
・司法などによる国民の権利を強化すること
・政治のリーダシップを強化すること

2)民主主義の源泉である自治の自律性を高める

・国と自治体の信頼関係を強化すること
・国の政策決定への自治体の関わりを明確にすること
・多様な自治のあり方を認め、それを容認する仕組みをつくること
・自治体の自律性を高めるため補助金改革を行うこと

3)都市と農山漁村の共存型の国づくりを行う

・都市と農山漁村対立の構造から、お互いの役割を認め合う共存の国づくりを行

・マクロ経済の視点だけではなく、具体的に実感できる経済の渦をつくりこと
・地域の特色をメリットとして享受できる生活のあり方を考えること

4)低成長時代の資本主義のあり方を考えること

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以上のほかにも、色々と思いを巡らしていますが、この一年は、国の大きな方向
性を頭におきつつ、個別の課題に取り組んできました。

特に民主主義を強化する取り組みとして、公文書管理法の制定、情報公開制度見
直し作業の完了、行政不服審査制度見直しへの着手、これらに直接携わることが
できたのは、本当に有り難いことでした。また私の原点でもある情報の共有、特
に予算情報等が、当たり前のように開かれることに対する認知度が、高まりつつ
あることも政権交代の大きな成果だと認識しています。

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ところが近年、介護保険、障害者自立支援法など、国と地方の信頼関係を損なう
出来事が頻発しています。その極め付けが三位一体改革でした。当時、私自身が
ニセコ町長として、その偽物の改革に遭遇し、最低限必要な住民サービスを理不
尽に切り捨てなければならないという、極めて悲しく惨めな立場に追い込まれま
した。このことによって国に対する不信感を一気に強めたものでした。この三位
一体改革による財政に対する危機感の高まりによって、大義ない市町村合併を決
断せざるを得ない地域が少なくなかったことに対し、日本の将来を大いに憂いた
ものです。

そこで、政権交代後は、国と自治体の信頼関係の回復が急務の課題であるとの認
識のもと仕事を開始しました。

信頼回復には、丁寧な話し合い等、幾つかの手法がありますが、具体的な成果が
なければ、言葉だけで信頼の回復といっても納得して頂けないのが現実でもあり
ます。そこで私は、信頼を失う大きな切っ掛けとなった、地方交付税の額の回復
を意図したのです。

昨年9月の政権交代直後、前政権による予算概算要求の見直しに着手することに
なりました。この折に、原口前総務大臣に相談し、地方交付税1兆円の増額を決
め、それを実現することができました。もちろんこのことに対する批判があるこ
とは承知しておりますが、とにかく信頼を回復するために目に見える成果を上げ
ることを第一に考えての行動でした。

しかし問題は、極めて厳しい財政の中で、この増額を23年度以降も継続できる
かどうかでした。一年だけの増額で、その後、元に戻すのでは信頼は得られませ
ん。そこで、22年の年明け以降、様々な場面で、国家財政全体の中で、地方財
政の果たす役割の重要性を説いて回りました。この取り組みの中で最初に成果が
あったのが、6月に閣議決定をした中期財政フレームの中に、今後3年間は地方
一般財源総額を22年度並みに確保する旨の記述がなされたことでした。

23年度地方交付税予算は、この閣議決定もあり、十分ではありませんでした
が、何とか体裁のある概算要求を行ことができました。そしてごの概算要求を出
発点として、12月の最終局面では、次の予算案を決めることができたのです。

・地方交付税額を対前年比5千億円増額し17.4兆円
・臨時財政対策債を1.5兆円(約20%)減額
・地方税収が伸びる中で、一般財源総額を確保

つまり交付税の額を確保しながら、交付税の質の改善を行うことができたので
す。これは非常に大きなことだったと認識しています。

交付税特別会計には、33.6兆円という多額の借金があります。23年度は、
これについても僅かな額ではありますが、返済の糸口を作り、将来の完済に向け
て動き出すことになります。これも今までは実現できなかったことです。

マスコミ報道では、地方交付税予算案についてあまり良い評価を得ていません
が、こうした23年度予算案を組むことができたのは、22年度交付税補正の
際、1兆円の財源を留保したことが功を奏したことは言うまでもありません。し
かし、これだけに留まらず、昨年政権交代以降の切れ目のない取り組みの結果で
あることを、多くの皆様にご理解頂きたいと思います。

もちろん地方交付税の額を確保しさえすれば、国と自治体との信頼関係が強化さ
れるというものでありませんし、国全体の財政が極めて厳しい状態ですから、交
付税額を維持することは容易でありません。

今回の交付税予算案は、国家財政全体の中で、地方財政が国民生活に密着する大
きな役割りを果たしていることも認識した上での、ギリギリの選択だったと考え
ています。

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私は、ニセコ町長時代から、国の政策決定にあたり自治体の現状が適確に反映さ
れないことに、不思議さを感じていました。

現在、介護保険や国保について、広域化の議論が出ています。これなどは、多く
の自治体関係者が、以前から主張していたことです。介護保険については、制度
創設時にそのことを随分と主張しましたが一顧だにされなかった現実がありま
す。今後、国と自治体の信頼関係を醸成するためには、国と自治体の話し合いの
場や、納得の過程が必須の要件になります。

この点に関し、国と地方の協議の場法案の策定に直接携わることができたと同時
に、事実上の国と地方の協議の場を運営を担当することができ、有り難く思って
います。

もちろん現在の国と地方の協議の場は、十分なものではないことは私も認識をし
ています。いずれは、国政の場に自治体関係者が法的にもっと強力な立場を与え
られた上で関わるべきと思っていますが、今は、とにかく国と地方の協議の実践
を重ねつつレベルアップして行きたいと思っています。

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今年9月16日まで、私の正式な職は総理大臣補佐官でした。この日までも、地
域主権改革や地方行財政を担当していましたが、補佐官時代は、個別分野の仕事
に加え、もっと広い視点で総理を、そして内閣を支える役割も求められていまし
た。

この中で世にはあまり知られていない役割も多々果たすことができました。

たとえば22年度子ども手当制度最終決定時にも、ある種の役割りを果たさせて
頂きました。宮崎での口蹄疫発生に関し、官邸内に大至急、対策本部を設置すべ
きとの主張もさせて頂きました。また官邸広報や意思決定のあり方、目には見え
ないが国家全体に影響を及ぼす課題への警鐘など、まだ言えないことも少なくあ
りませんが、総理補佐官時代は、水面下で様々な活動をすることができ、私自身
が勉強となったと同時に、様々な成果も収めることができました。

9月17日以降は、それまでの広い役割とは一線を画し、大臣政務官として、総
務省の地方行政、地方財政、地方税制、消防、加えて総理からの特命的に内閣府
の地域主権戦略、地域活性化、新しい公共という、分野を区切った仕事に専念す
ることになりました。これらの分野は、私が政治を志す原点ともいえるものであ
り、全身全霊を傾けて取り組んでいます。まだ三カ月強ではありますが、ある一
定の成果を上げることができたのではないかと思っています。

特に鳩山前総理や松井前官房副長官らが、物凄いエネルギーを注ぎ込んでいる新
しい公共は、日本の社会を、今の困難な課題に対応できるものへと変革させる、
大転換となる政策です。これに直接携わることができることにも、自治を出発点
とする私にとっては望むべくもないことであり、感謝したいと思います。

また来年から本格始動する総合特区制度も私の担当です。この特区制度は、その
活用如何によっては、地域の元気に大きく資するものとなります。これも担当政
務官として、全力で各地域を支援したいと考えております。

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本年を振り返ると、書きたいことが山のように出てきます。

10月から12月中旬まで政府税制調査会でも、大きな役割を果たすことができ
ました。同時に、日本の税制の課題、特に地方税制度における自治体の課題に
も、改めて気付かせて頂きました。これらについてもいずれ書く日が来ようと
思っています。

地方自治法の改正、消防のこと、TPPや一次産業のことなど書きたいこと、話
したいことは尽きませんが、今年はこれで打ち止めにします。

この一年間、本当にお世話になりました。そして来年もよろしくお願いします。

さあ今日もしっかりと前進します。

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  2010・12・31 Seiji
Ohsaka

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