4月8日 その2054『逢坂誠二の徒然日記』

掲載日:2013.04.08



東京で用務があるため、都内入りしてい
る。



爆弾低気圧による悪天候を抜け出し、

今朝の都内は真っ青な青空が広がっている。



台風一過後のような、爽やかさを感ずる朝だ。



朝の気温は10度程度、

日中は18度位まで上がる見込みだ。







1)主権の回復

昨日の日記で、前泊博盛さんの

『日米地位協定入門』(創元社)を紹介した。



私は、以前から独立国として、日本の主権が、

本当の意味で回復していないと感じていた。



特に2005年に国会に来て以降、

そのことを強く感ずる。



私と同じような感覚を持つ方は少なくないが、

その原因として現行の日本国憲法を上げる方が多い。



占領下で押し付けられた憲法であり、

問題が多いとする指摘だ。



私は、現在の日本の主権に関わる課題で、

最も問題が大きいのは「日米地位協定」だと感じている。



成立の過程も問題だし、

その後の運用も、相当に大いなる疑問がある。



したがって日本の真の主権の回復は、

憲法改正ではなく、日米地位協定の見直しだと考えている。



前泊さんの著書に限らず、

幾つかの書物を読むと、日米地位協定が、

いかに不平等なものであるかが良く分かる。



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私がTPPに反対する理由はいくつかあるが、

そのうちの二つは次のことによる。



関税撤廃などの「経済的規制」と、

労働や知的財産などの「社会的規制」が、

一緒くたに議論され、

今後、日本社会がどう変化するかについての

見通しを持てていないからだ。



特に多くの経済人は、

カネ儲けの可能性が広がる経済的規制に心を奪われて、

社会的規制への関心が少ない。



結果として、日本社会の将来像に

思い致すに至っていないのだ。



これは極めて危ういことであり、

このことを想起しなければならないのは経済界ではなく、

政治の側だ。



しかし今、その政治が機能していない。



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もう一つの理由は、日米地位協定だ。



日米地位協定は、日本社会の中で米軍に対し、

極めて有利な特権を認める内容となっている。



TPPによって、

経済的規制と社会的規制が、

日米間で今以上に共通化が進む可能性が高い。



しかもその内容は、

現行の日本のルールを基本とした共通化ではなく、

米国のルールを基本とした共通化の方向だ。



つまり現行の日米地位協定のもとでTPP交渉を進めるということは、

日本の経済的、社会的な自主権を失なう一方で、

軍事的には米国支配が温存されるということになり兼ねないのだ。



現行も確かに、軍事的には米国支配の色が濃いのだが、

経済的、社会的には、日本国としての自主性を保っている。



しかしTPP交渉を進めると、その二つの自主性を失い、

軍事的支配だけが残る…、そんな状態が想像される。



果たしてこれで主権ある独立国と言えるのかどうか…、

私はこの点が大いに気にかかっている。





国家主権を声高に叫ぶ政治家は多い。



日米地位協定とTPPの関連に言及する政治家は、

私以外には聞いたことがないが、

これは大いなる問題だ。







2)憲法

現行憲法の制定過程や内容について、

さまざま議論があることを承知しつつも、

基本的人権、平和主義、国民主権を三原則とする

現行憲法が果たしてきた役割は大きい。



こうした認識もなく、

どんな国やどんな憲法であるべきかの深まりもないままに、

改憲だけが目的の議論は極めて危うい。



一方で、大きな役割を果たしている日本国憲法といえども、

すり減ることのない不磨の大典ではない。



現実に、裁判官の給与(79条)、私学助成の禁止(89条)などは、

今の社会情勢に合致しないものとなりつつある。



したがって、護憲だけが目的の議論も危うい。



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改憲や護憲だけが、憲法議論の目的となることは不毛だ。

(過日のテレビ番組で、

 細野豪志さんに

 「改憲するのか、しないのか」と迫っていた首長がいた。

 あれは全くナンセンスな議論だ。)



大事なのは、

日本がどんな国であらねばならないのか、

主権者である国民はどんな権利を保障されねばならないのか、

そのためには、どんな憲法であるべきなのかを、

単なる改憲や護憲を乗り越えて、

十分に議論し、考えることができることだ。



そして国会議員に求められるのは、

改憲、護憲を声高に叫ぶことではなく、

(もちろん改憲、護憲に意見を持つことは何の問題もない。)

憲法を決める力を持っている主権者である国民自身が、

こうした問題を十分に検討し議論できる、

そんな社会を醸し出すために努力をすることだ。







3)内部留保

共同通信の調査で、

大手企業100社が、

社内にため込んだ「内部留保」の総額が、

2012年3月末時点で約99兆円に上ることが分かった。



これはリーマン・ショック直後の

2009年3月末からの3年間で10%の増となる。



労働者の賃金は下落傾向が続く中、

大企業が利益を温存する姿勢を強めている実態が

浮き彫りになっている。



逆に企業利益は株主対策には重点配分されているようだ。



配当額はリーマン・ショック後、

2010年を底にして増加し、

20120年3月末は総額約3兆1千億円に上っている。



アベノミクスとやらで、

株高と円安に世間は踊っているようだが、

本当の経済の元気のためには、

内部留保を前向きの投資や

賃金に振り向けさせる政策が必要だ。







4)原子力報道

東京電力福島第一原発の汚染水の処理は、

自転車操業状態が続いているが、

貯水池からの漏水問題も深刻となり、

限界状態に達しつつある。



これは以前から容易に想像のついたことだが、

ここにも原子力災害の深刻さが見える。



書きたいことは山のようにあるが時間切れだ。



まだ読んでいないが気になっている本がある。



柴田鉄治さん『原子力報道』(東京電機大学出版局)だ。


柴田さんは、元朝日新聞社の記者。

本書で戦後の日本の原子力報道のあり方を深く検証している。



これまでの原子力報道は失敗の連続であったということを、

5つの失敗という軸を立ててわかりやすく解説しているらしい。

福島原発事故結果を検証するための4つの事故調査委員会報告を比較し、

今後の原子力のあり方も提言している。



近いうちに読んでみようと思う。







回復にてこずっている私の風邪だが、

今日も昨日よりも状態は良い。



しかしまだ鼻水が出るなど、

完治にはあと一息だ。



さあ今日も、しっかりと前進します。

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     2013・4・8 Seiji Ohsaka


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