10月3日 その2233『逢坂誠二の徒然日記』

掲載日:2013.10.03



台風22号は、

午前3時に三陸沖で温帯低気圧に変わった。



だが北海道の東部は朝まで雨が残るという。



今後は、

次第に北風や西風が強まり、

冷たい空気が流れ込み、

日本海側の最高気温は

昨日よりも5度以上低くなる所が多い。



函館の最高気温も19度と、

20度を下回る見込みだ。







1)TPPを考える国際会議

一昨日、衆院会館で開催された

「TPPを考える国際会議」に出席した。



マレーシアのイッザ・アルワン議員、

チャールズ・サンチャゴ議員からは、

TPPについて、



韓国の徐尚範弁護士、

郭洋春立教大学教授からは、

米韓FTAについて、



それぞれ報告があった。



また、

パブリック・シチズンの

グローバルトレードウォッチ本部ディレクターの

ローリー・ワラック氏、



オークランド大学法学部の

ジェーン・ケルシー教授、



それぞれから本会議に寄せられた

ビデオメッセージも紹介された。



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私は、

TPPは単なる経済問題ではなく、

国家主権を侵害する

国家の存立に関する重大問題などと指摘を続けてきたが、

この国際会議での報告は、

その私の主張を裏付けるものだった。



特に米韓FTA締結後の、

韓国からの報告は、

植民地時代の不平等条約を想起させる、

驚愕の内容だった。



以下に会議で出された発言などを

ランダムに列挙する。



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ISD条項のメカニズムは、

国家主権及び政府の政策立案に重大な悪影響を及ぼし、

政府や政府機関を企業に従わせることを可能にする。



世界銀行傘下の投資紛争解決国際センターの仲裁は、

公共の利益よりも投資家の権利を守る傾向がある。



たとえばフィリップ・モリス社は、

タバコの箱に印刷する健康への警告を巡って、

ウルグアイとオーストラリアを訴えている。



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TPPは、

経済自由化を基本として

貿易を改善するツールであるかのように装っているが、

TPPを批准すれば、

国家主権及び、

国家に責任を負う公共政策の立案が脅かされ、

企業は政府の政策に指示をすることができる。



TPPは、包括的なものであり、

食の安全、政府調達、金融市場、医薬品価格、

知的財産権などにまでわたる。



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TPPにおける日本でのターゲットの例:





日本郵政の保険、銀行、郵便業務





日本放送協会





地方自治体や公益事業体





国立大学





年金投資基金





政府系投資ファンド





JRグループ





農林中央金庫





JA全中



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米韓FTA発効後、1年で次のようなことが起きた。





経済自由区での自由診療許可





マイクロソフトが、国防部に賠償請求





BSEが発生したが、十分な調査もできず輸入継続





経済自由区で営利病院開設の規則を公布





韓国版エコカー減税制度延期





TPPは、関税の交渉と思われがちだが、

上記のように韓国では関税以外の

医療、知的財産、食の安全、公共政策等に、

米韓FTA発効後、たった一年で重大な影響が出ている。



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1998年のロアン事件で、

仲裁人に指名された

エブノ・ミックバー(元米国連邦裁判所判事)が、

2004年にロアン事件の仲裁の不適切さを公表した。



つまりISD条項は公平な条項とはいえない。



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ISD条項は、

相手国などの政変や

先進国では考え難い理不尽な対応によって、

被害をこうむった企業を救済するのが、

本来の仕組みだったはず。



それならば、

ファンドなどを造成して、

企業救済の仕組みを明確にしたほうが良いかも。



ただし最近のISD条項は、

適用範囲が拡大され、その性質が変化している。



しかし単にISD条項反対では、ダメかもしれないので、

企業救済ファンドを含む、対案の提示が必要。



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米国経済界の幹部が、

米韓FTAこそ米国が望む最上の自由貿易協定と指摘

(つまりTPPの目指す姿は米韓FTA)



米韓FTAの序文には、

韓国企業が米国で活動する場合には米国内法に従うとあり、

米国企業が韓国内で活動する場合には米韓FTAに従うとある。

(つまり明らかな不平等性が全体を貫く考えとして、

 序文、すなわち冒頭にうたわれている。)



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今回のTPPの米国交渉役のフロマン氏は、

米韓FTA交渉の米国代表で、

交渉を米国の有利に進めた人物。



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米韓FTAの経験から判断すると、

日本にとってのTPPは、

自動車産業などの輸出産業と

農業などの国内産業の対立問題ではない。



本質は、日本人・日本社会が、

アメリカ的生活様式に変質させられること。



つまり日本の法律、制度、習慣を、

アメリカ企業の都合の良いように変えること。



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TPPにおける非関税障壁分野交渉は、

国家主権と直結。



非関税障壁の例:

保険、透明性、投資、知的財産、規制の基準、

政府調達、競争政策、速達郵便、検疫。



非関税障壁分野で

米国の主張を丸のみにすることは、

国家主権の放棄も同然。



TPP交渉の本質は、

関税問題ではなく、非関税障壁分野。



このTPPの落とし穴に気づいていないのは危険。



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米韓FTAによって、

韓国では、

23法律、16施行令、18施行規則、

9告示・例規か改正された。



米国では、一本の法律も変わっていない。



つまり米韓FTAは、

韓国の法律、制度、習慣を変えること。



米国政府高官によれば、

韓国の国家主権が奪われ、

米国企業の自由な経済活動には好都合だとか。



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TPP議論は、

将来にわたってどのように日本社会を構築するのかという

「国家ビジョン」の問題。



== 以上、主な意見の紹介終了 ==





一昨日の国際会議では、

以上のような極めて刺激的な発言があった。



しからばなぜ、

韓国がこのように不平等な米韓FTAに加入したのかは、

極めて興味深いことだ。



その質問に対しては、次のような答えがあった。



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米韓FTA参加は、

2006年1年の演説で、ノ・ムヒョン大統領が言及。



当時は、韓米の関係が極めて悪化した時期であり、

政治的に融和できない可能性が高く、経済的な融和を狙った。



2011年11月の批准に当たって、

イ・ミョンパク大統領が、全議員に議員に手紙を出した。



米韓FTAは安保上の問題である。



韓国は、北に北朝鮮、ロシアがあり、

東に日本という大国がある。



アメリカに依存しなければ、韓国は生き残っていけない。



FTAは韓国の安保上の問題であり、

韓国の経済が生き残るための唯一の手段。



こんな理由でFTAを推進したとのこと。



交渉の過程で、

韓国がなかなか首を縦に振らない場面では、

フロマン代表が韓国に対し、

「ワシントンとソウルの関係は悪くなる

」と脅したこともあった旨が、米国内で報道された。



つまり米国側も、貿易交渉というよりは、別の側面を強調したかった。



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こんなことを背景にして、米韓FTAが進められたようだ。



しかし何故、韓国内で反対運動が起きなかったのか、

さらに報道は機能したのかも疑問になる。



この点は、次のように説明された。



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韓国でも、

交渉の中身を公表するようにと多くの要請があったが、

安保に関する情報ということで、

交渉内容がを明らかにされなかった。



最終案の段階で国民に発表されたが、

法律用語、専門用語の羅列であり、

法的に詳しい人でなければ理解できない条文だった。



また最終案は、

英文700ページにも及ぶ膨大なものだった。



これを国民に知らせるため、

急いで翻訳したが、誤訳300箇所もあった。



つまり適切な情報が国民には届いていなかったのだ。



韓国政府は、

国内対応、交渉対応、広報対応と

三つのグループに分かれて、FTA交渉を行った。



広報グループは、

FTA礼賛を韓国民に伝え続けた。



この結果、マスコミも十分な報道をせず、

結果として米韓FTAの本質が国民に伝わらなかった。



反対運動もあったが、

最終的には、国民の様々な声を集約できなかった。



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こんなことが米韓FTAに関する韓国内の現実だったらしい。



これでは、国民が適切に判断できるはずがなく、

極めて恐ろしい現実だと感ずる。



TPPについては、さらに情報収集を進め、

その現実を多くの皆さんにお知らせしたいと思う。







2)原子力社会

菅義偉官房長官が、昨日の記者会見で、

小泉元総理が、

安倍内閣に原発ゼロを決断するよう求めたことについて



「エネルギーの安定供給とコスト軽減という

責任あるエネルギー対策の構築が政府の考え方だ」と発言し、

現段階で原発は必要との認識を示したと報じられている。



この発言からも、

現政権の原子力の維持推進姿勢が明確になっているが、

菅官房長官は、

もう少し小泉元総理の話を聞いた方が良い。



小泉元総理は、

いますぐに原発をゼロにしろと言っているわけではない。



原子力ゼロを決めなければ、

原子力の低減すら難しいということも含めての発言だ。



その理由はなぜか。



金融や補助金、会計方式など、

今の日本社会のあらゆる仕組みは、

原子力の推進を前提に作られている。



だから、今の社会の仕組みをそのままにして、

原子力への依存度を下げるといっても、

その実現は難しい。



今の社会の仕組みを前提に議論すれば、

原子力を推進した方が有利との答えが出るように、

日本社会は出来上がっている。



これが原子力社会の怖さなのだ。



だからこそ、

政治の判断として、原子力をゼロを決め、

その原子力ゼロに向かうために必要な社会の仕組みへと

組み変える必要があるのだ。



原子力をゼロにすることが、

日本社会全体にとって、

有利に働く仕組みに変えることが重要だ。



今の原子力推進に好都合な今の仕組みを温存したまま

原子力ゼロを議論すれば、

原子力ゼロが日本社会にとって不都合

との結論に自動的になってしまう。



だからこそ原子力ゼロへの決断が重要なのだ。



小泉元総理の発言には、

こうした意味合いも含まれているものと思う。







今日は、芦別市職員の勉強会に出席予定だ。



さあ今日も、しっかりと前進します。

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     2013・10・3 Seiji Ohsaka

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