7月17日 その2935 『逢坂誠二の徒然日記』(4579)
掲載日:2015.07.17
じっとりと体が汗ばんでいる。
都内は、台風の影響で湿度の高い朝を迎えた。
1)安保法制
昨日、衆院本会議が与野党の合意がないまま
与党委員長の職権で開催が決められて、
安保法案強行採決、衆院を通過した。
その時間、わずか一時間あまりだ。
歴史の大転換となる安保法案が、
いとも簡単に可決となった。
与党の賛成討論は、原稿を棒読みしている印象。
こんな責任感のないことで良いのか
との思いを強くしている。
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今回の安保法案は、
国民の8割が政府の説明は不十分と言い、
半数以上の方が反対をとなえている。
国会周辺でデモに参加する人は増え、
とくに若者が日に日に増えている。
大多数の憲法学者、複数の元法制局長官が、
政府案は憲法違反、またはその疑いが強いと指摘する。
総理自身も国民の理解が得られていないことを
認識する中での強行採決だ。
なぜこんなに急ぐのか。
それはきっと政府与党が追い込まれているからだろう。
審議をすればするほど、反対が増えるうえ、
内閣の支持率も下がる。
慎重な審議を行うことができない状況に
追い込まれたのだと思う。
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そもそもこの法案は、憲法違反の法案だ。
本来であれば、国民の過半数の賛成を得て
憲法改正をした上で、
国会に提出すべきものなのだ。
そんな違憲性の強い法案を
同じ土俵で審議できるはずもない。
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いずれにしても、今後の論戦の舞台は参議院だ。
参院で強行採決をするか、
衆院で三分の二可決をするか、
いずれかの山が待ち構えている。
この山を越えることをさせずに、
何とかして廃案に持ち込まねばならない。
2)核燃料サイクル
核燃料サイクルは、
原発の使用済み核燃料を
再処理してプルトニウムとウランを取り出し、
再び燃料として利用する仕組みだ。
国策といわれる。
この再処理は、総額13兆円余の巨大事業だ。
現在、原子力発電を行う電力会社などが
共同で出資する日本原燃が、
再処理工場などを六ケ所村を中心に準備を進めている。
この再処理工場は、
これまでに22回本格稼働が延期され、
建設費も当初の7,600億円から2.2兆円に膨れ上がり、
その実現が危ぶまれている。
大間原発は、この再処理燃料を全量使用する、
核燃料サイクルの重要施設であり、
再処理工場の竣工もままならないのに
国は積極推進の姿勢だ。
来年4月から電力の自由化がより一段と進むが、
そうなれば、コスト面などから
この核燃料サイクルが維持できない可能性が出てきた。
そこで国は、核燃料サイクル維持のため
新手を検討しているという。
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現在の再処理費は、
使用済み核燃料の「発生時」に
電力会社が処理費を積み立てている。
これを「発電時」に前倒しして積み立てさせて、
確実に資金確保できる方式が検討されつつある。
また核燃料サイクルへの国の関与を強めるため、
日本原燃を認可法人にするか、
あるいは別の方式によって
事業を監督できる仕組みも検討される。
とにかくどんなにコストが合わなくても、
現政権はなりふり構わない姿勢で、
核燃料サイクルを維持したいようだ。
現在の計画では、
原発50基を前提に
年間800トンの使用済み核燃料の
再処理を予定しているが、
今後の廃炉などで、
この計画の見直しは必至だ。
そうなればこの計画の
前提が崩れることになる。
多くの国が撤退した核燃料サイクルに拘ることに、
日本での発電上の意味を見出すことは難しい。
今日の夕方には帰函する。
さあ、今日もしっかりと前進します。
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2015・7・17
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