徒然日記

7月16日 その1810『逢坂誠二の徒然日記』

昨夜、奥尻から都内入りした。

多少雲があるものの、
青空の広がる朝を迎えた。

昨夜は、蒸し暑さのため、
寝苦しく何度も目が覚めてしまった。

加えて朝の4時30分過ぎには、
小さめの地震があった。

予想最高気温は、なんと34度だ。

昨朝の奥尻の爽やかさとは、
比べようもない天候だ。

1)新エネルギー政策の決め方
2030年に、
どれだけ原発に依存するのか
といったエネルギー政策について、
国民の声を聞く、政府の意見聴取会が、
14日、さいたま市からスタートした。

8月4日まで、全国11カ所で開くという。

政府はこれらの意見を参考に、
8月末に新しいエネルギー政策を決める方針だ。

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4月29日:三つの選択肢を決定

7月2日~8月12日:
パブリックコメント実施中

7月14日~8月4日:
全国11箇所で
国民からの意見聴取会を開催

7月~8月上旬:
討論型世論調査を実施。
8月4~5日、東京で300人が集まって議論

8月末:
政府が新たなエネルギー政策を決定

政府は以上の手順で、
新たなエネルギー政策を決定するという。

今回の意見聴取会は、その一環だ。

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政府は、2030年の原発の割合を
「0%」、「15%」、「20~25%」
とする三つの選択肢を決定した。

このなかから2030年に
目指すエネルギー政策を決めるという。

さいたま市の聴取会には、
約170人が参加したと報じられている。

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ところがこの意見聴取会の模様を聞くと、
どうも制約が多い感じがする。

会場で、意見を述べることができたのは、
事前に抽選で選ばれた9人だけだったという。

これは政府が、
自由に意見を語り合ってもらうことを避け、
選択肢ごとに3人ずつ選び、
それぞれ約10分間ずつ話す方法にしたからだという。

また選択肢に対する質問を行うこともできないし、
どの選択肢も均等に3人が発言すると言う。

514人が参加を申し込み、
発言希望者は309人で、
「0%」が239人、
「15%」が30人、
「20~25%」が40人だったという。

こんな分布になっているのに、
それぞれの選択肢に対し均等に3人から話を聞くことで、
意見聴取と言えるのだろうか。

仮に、我が党内で議論する際に、
こんな方式を採用することで、
党内国会議員が納得するはずはない。

それを考えると国民も同様だろう。

この方式には、
自由な討論とは言い難い印象を受ける。

この政府の方式だと、
意見を述べた人どうしが議論したり、
ほかの参加者が考えを述べたりする機会はない。

参加者は、
消化不良との印象を受けるのではないか。

しかも、今回の意見聴取では、
使用済み核燃料の処理方式や、
核燃料サイクルについては、
対象としないとも聞く。

現在の原子力発電の大きな問題となっている、
この二つの課題を対象にしないで、
本当に適切な選択肢が決められるのだろうか。

疑問と言わざるを得ない。

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政府では、今回の意見も含め、
総合的に判断し、
国民のみなさんの意識を判断するというが、
結局はガス抜きとも受け取られ兼ねない位置づけだ。

8月末にエネルギー政策を最終決定するのは、
野田総理や枝野大臣らによる「エネルギー・環境会議」だが、
もっと丁寧に真摯に国民意見を伺うことをしなければ、
国民の不満は、どんどん高まるものと思う。

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2回目となる昨日の仙台での意見聴取会は、
さらに悲惨だったようだ。

抽選で選ばれた9人の発言者の中に、
東北電力や原発推進団体の幹部2人が含まれており、
会場が騒然となったという。

本来、各案それぞれ3人が発言する予定なのだが、
昨日は進行側の手違いで、
0%案4人、15%案2人、
20~25%案3人が発言したという。

聴取会には175人の参加応募、抽選で130人を選定。

意見表明を希望したのが93人、
0%案が66人、
15%案が14人、
20~25%案が13人だったという。

発言希望にこれほど差があるのに、
無理して発言者のバランスを取ろうとしており、
奇異に感ずる。

しかも、東北電力や
その幹部OBによる原子力推進団体の発言は、
広く国民の意見を聴くと言う観点からは、
相当な違和感のあるものだ。

意見聴取会は今日、名古屋市内でも開かれる。

こんな意見聴取会を繰り返すなら、
国民の信頼は得られない。

政府の猛省を促す必要がある。

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全国11カ所での意見聴取会の予定

14日午後3時 さいたま市

15日午後3時 仙台市(参加受け付け終了)

16日午後1時半 名古屋市(参加受け付け終了)

22日午後1時 札幌市

   午後1時 大阪市

28日午後1時半 富山市

29日午後1時 広島市

  午後1時 那覇市

8月1日午後2時半 福島市

  4日午後1時 高松市

    午後2時 福岡市

※申し込みは、http://kokumingiron.jp/

2)4号機
昨日の産経新聞記事によれば、
東京電力は今月中に、
福島第一原発4号機の燃料貯蔵プールに保管されている
未使用の燃料2体を試験的に取り出すという。

これは燃料の被覆管の損傷状況などを調べ、
平成25年末までの着手を目標としている、
貯蔵プールからの使用済み燃料の
取り出しに備えるためだという。

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4号機の貯蔵プールには、
1535体の燃料集合体がある。

204体は定検後に使用予定だった未使用の燃料だ。

今回は、このうち2体を取り出すという。

4号機の水素爆発による損傷は、
燃料プールのある5階より下の3階部分にまで及んでおり、
今後の耐震上の懸念は事故のあった4機の中で最も深刻だという。

万が一、今後の地震などでプールが崩れるようなことがあれば、
燃料が野ざらし状態になることも否定できない。

そうなれば「手の施しようはない」
との東電の言葉が報道されている。

燃料を冷却するためには水中に入れておく必要があるが、
プールごと崩れた場合、燃料を冷却することができなくなり、
深刻な状態になるからだ。

そのため東電では、
昨年、プール底部などの補強工事を行い、
耐震性は約20%向上したという。

しかし、危険であることに変わりはなく、
万が一の事態になった際の影響は想像を絶するものだろう。

今回の燃料棒2体の試験取り出しが予定通りどおり進んだとしても、
4号機の燃料プールからの
燃料棒の取り出しの「着手」目標は平成25年末だ。

つまり本格取り出し作業は、平成25年末以降なのだから、
我々はそれ以降も、
燃料プールの倒壊とういう危機と背中合わせにいることになる。

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1~3号機の燃料はメルトダウン等の状態で、
それはそれで、
今後どう対処すべきか対応が不確実で危険なものだが、
核燃料プールも相当に危険な状態であることを認識する必要がある。

この燃料集合体2体の取り出し作業日程は、
核物質防護上の問題があり事前公表はしないとのことだ。

さあ今日も、しっかりと前進します。
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   2012・7・16 Seiji Ohsaka
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