徒然日記

18年1月3日 その3785『逢坂誠二の徒然日記』(5482)

新年三日目の朝、西の空、
雲の切れ間に満月が輝いている。

朝の気温は氷点下5度。

風も弱いため、あまり寒さを感じない。

冬らしくない正月三ヶ日で、
この先行きが心配だ。

1)原発ゼロを実現するために

原発ゼロを唱える前に、
代替エネルギーの確保が先決との声がある。

一見正論に聞こえる。

だがゼロを決めなければ、
具体的に動き出さない側面も多い。

再生可能エネルギーを普及させるための
送電網の確保がその典型例だ。

現時点では、原発ゼロは決まっておらず、
原子力による電力を送電する容量を
相当程度確保しているのが送電現場の実態だ。

ところが現在、原子力の発電は極限られており
相当程度確保した送電容量には相当な余裕がある。

一方、再生可能発電に割り当てられる送電容量は、
原子力が優先されるため少ない。

地域でいくら風力や太陽光発電を行なっても、
送電網への接続は、後回しになる場面が多い。

原発による発電を止めることを決めない実態が
代替エネルギーの柱となる
再生可能エネルギーの普及を阻害している。

この現実を乗り越えためには、
原発利用を止めることを決断した上で、
具体的に代替エネルギーの
確保作業を行うことが必要だ。

そしてどうしても電力が不足する
緊急避難的な場面だけでしか
原発を稼働させないとすべきなのだと思う。
(もちろん万が一の際に有効に
機能する避難計画の存在が稼働の前提だが。)

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原発ゼロに向けた具体的な工程表がなければ、
原発利用を止めるのは無責任だとの声もある。

これも一見、正論に聞こえる。

しかし工程表なるものの定義も曖昧な上、
原発を動かしたままで具体性のある手順を、
真剣に作成するのかどうか、これも不透明だ。

原発を動かすことも選択肢の一つとして、
原発ゼロの是非を考えることは、
その検討に具体性も、
現実的な進展も生まれないのが、
これまでの経過だろう。

もっと言うならば検討に
真剣味がなく魂が入らない。

必要なのは、どうしても電力が不足する場合の
緊急避難的な再稼働の道を極限定的に残しつつ、
まず原発ゼロを決めることだ。

そうしなければ原発ゼロへの道のりを、
責任を持って具体的に推進する原動力にはならない。

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こうしたやり方を乱暴だと感ずる方もいるだろう。

しかし環境に悪影響を与え、
子孫が何万年も管理しなければならない
使用済み核燃料をこれ以上増やすことのほうが、
倫理にもとる無責任な行為なのではないか。

太陽光発電をはじめ再生可能エネルギーの価格が、
どんどん低下している。

こうした現実の中で、
高止まりせざるを得ない原子力エネルギーを
国民に押し付けることの方が無責任ではないのか。

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電力会社、立地自治体、雇用などへの配慮をしつつ、
エネルギーのあり方を
次の時代にふさわしい方式へと転換させること、
これこそが、今を生きる我々に課せられた責任なのだと思う。

さあ今日もブレずに曲げずに、     
確実に前進します。
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     2018.1.3=======

  
  

皆様のコメントを受け付けております。

  1. 国の政策として方向が決まらないと今のままでは再生可能エネルギーへの転換が机上の空論で終わってしまう。何とか原発ゼロ法案を通せないものかと思う気持ちは逢坂先生と同じです。多くの人に伝わっていくことを願います。

  2. 原発【廃炉費用等含】が本当に再生可能エネルギー等やその他の発電と比較して安価なのか対比表とかで明示して国民に知らしめる必要があると思います。又、核のゴミを処分する場所も決まっていない現状で再稼働させている無責任さに怒りを覚えます。

  3. 明けましておめでとうございます。

    一月一日に、逢坂さんへ「kazu」というニックネームで年始のご挨拶を
    ツイートさせて頂きました。今年もよろしくお願い致します。

    毎日徒然日記を拝読してますが、朝日に原発ゼロ法案の骨子案が掲載されてると逢坂さんがおっしゃってるので、よく読んでみました。
    先生がお正月も休み無くご苦労され、徒然日記で読ませて頂いてる案そのものが掲載され、嬉しかったです。とても身近に感じまして。

    4日の朝日の夕刊「素粒子」に、事故から7年近くたち立憲が原発ゼロ基本法案、ようやく国会で議論が始まる。この初夢はかなうのだろうか。

    世界的にみても、福島原発事故は大事故、大惨事にも関わらず今迄国会で議論されてこなかったのは、議論されては困る人々が押さえ込んでいたのでしょう。だいたい想像はつきますが。

    立憲民主党はそれらに立ち向かい、選挙の公約を実行して下さり嬉しい限りです。
    今回を突破口にして、年月はかかるかもしれませんが私達もついて行きますの、お立場上逢坂さんが一番ご苦労されると思いますが、宜しくお願い致します。

    字数に制限があるといけませんので、ここでいったん送信します。

  4. すみません。先程の続きです。

    2017年12月17日(日)NHKスペシャル「激変する世界ビジネス 脱炭素革命の衝撃」を録画してました。
    逢坂さんはご覧になりましたか。毎日が激務でいらっしゃるので、ご覧になる暇は無いと思われます。
    逢坂さんは論客と言われる方で、豊富な知識をお持ちなのでスペシャルの
    内容はほとんどご存知と思います。

    今迄地球温暖化が不安でしたが、今日番組を見て世界が再生可能エネルギーに真剣に取り組み始め、人類の存続の展望が開けて来ているのかなと少し希望を持ちました。

    こんなナレーションがありました。
     ビジネスと一体となった脱炭素のうねりは誰にも止められない。
     巨額の利益を見込んで投資家は脱炭素を掲げる企業に資金を注ぎ込んでる。脱炭素のマーケットは予想以上のスピードで規模を拡大し続けています。
    だが、日本は世界の潮流から取り残されようとしている。
    石炭火力発電所の輸出を行い、日本は脱炭素の流れに背を向けていると
    非難されている。
    この番組は脱炭素革命の最前線を追う番組ですが、世界各国がパリ協定の合意から2年で、こんなにも再生可能エネルギーが世界に注目され広まってる事に驚きました。再生可能エネルギーに関われば、皆に利益を生みだすことが、一番のポイントと思いました。

    今書きましたのはほんの一部で、とても興味深くのめり込む様にして一気に観ました。
    私が必ず見る番組は、池上彰さんの番組、サンデーモーニング、報道ステーションですが、このNHKスペシャルはなかなか見応えがありました。
    この番組では原発に関するものはありませんでしたが、原発に依存しない社会を実現するためには、世界的に重要視されている再生可能エネルギーを日本も率先して進めることは、温暖化防止だけでなく、国にも企業にも国民にも富をもたらすと思いました。

    それには一番のネックになってるのは、送電線を再生エネルギーを最優先して使える様に法で決めないと、思います。
    たしか、ドイツではその様に定められてると、番組内で言ってました。

    私は、ただの一般の主婦ですので専門的な知識はありませんので、もし
    間違ったことを言ってましたら、お許しください。

    逢坂さんはいつでも全力で走られ、病気も走りながら治してますが、アキレスケンの痛みは続いていらっしゃるのでしょうか。 私は勿論尊敬申し上げてますが、時にだいぶ年の離れた弟を心配する気持になります。
    すみません。
    今年もどうぞお体に気をつけてご活躍下さい。

                         出田

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