徒然日記

22年9月2日 その5488『逢坂誠二の徒然日記』(7185)

今日は、いつもお世話になっている友人に会うために富山に来ました。

明後日まで、滞在の予定です。

夜明け前、空全体に雲が広がっています。

気温は22度、日中は27度の予報です。

1)クルーズ船旅客ターミナル
昨日、函館港若松埠頭のクルーズ船専用旅客ターミナルビルの完成式典に出席しました。

施設の概要は以下の通りです。

*鉄骨造平屋延べ床面積約1200平方メートル
*外構なども含む総工費は約14億円
*ターミナル建設費は約8億円
*出入国の手続きカウンターが20カ所
*観光案内所も設置

函館港のクルーズ船入港数は19年度は過去最多の47回。
昨年度、一昨年度はコロナ禍で2年連続のゼロ。
今月までに国内のクルーズ船7隻が寄港を予定。
外国船は19年11月以降は寄港がなし。

以上が最近のクルーズ船の状況です。

これまでは船内の通路やホールで出入国、税関、検疫の手続きを行っており、
時間がかかることや、不法入国のおそれもありました。

今後は、時間が短縮されると同時に、より確実なCIQ手続きとなると思われます。

(CIQとは、税関(Customs) 、出入国管理(Immigration)、検疫所(Quarantine)の略です)

2)新しいオリンピック
東京オリンピックを巡って、様々な問題が噴出しています。

こうした中で、札幌冬季オリンピックの招致についても賛否、色々な議論があります。

以下は、写真雑誌「faura」に、コロナ禍前の2019年に寄稿したものです。

少し長くなりますが、引用します。

== 新しいオリンピック ==

 2020 年夏、東京オリンピック・パラリンピックが開催される。猛暑、新型肺炎、自然災害など開催に向け、懸念事項が多いが、開催を決めて進んでいるからには、何とか無事に終了して欲しいと願っている。
 一方、日本オリンピック委員会は、2030年冬季五輪招致の国内候補地を札幌市に正式決定した。開催地の決定は、早ければ来年になるらしい。
 招致が実現すれば、1972年以来、58年ぶり2度目の札幌開催だ。

 1972 年の札幌オリンピックの記憶は、トワエモアの「虹と雪のバラード」とともに、今も鮮明だ。
 日の丸飛行隊と讃えられたジャンプの笠谷、金野、青地三選手のメダル独占の瞬間を、小学校の教室に設置されたばかりのテレビで観戦した。私は6年生だった。

 このオリンピックを契機として、北海道の生活や社会の環境が大きく変化した。
 地下鉄、地下街、高速道路の供用開始。冬の防寒着も、アノラックやヤッケなどから、厚手のコートやダウンなどへと一気に多様化した。それまで冬の履き物といえば黒いゴム長靴が中心だったが、防寒性の高いブーツやスノトレと呼ばれる冬用運動靴など変化した。特に冬に短靴を履くのは実に新鮮だった。

 トワ・エ・モワが歌った札幌オリンピックのテーマソング「虹と雪のバラード」は、オリンピックを待ち焦がれる道民の気持ちを高ぶらせるものだった。この歌詞に「町ができる 美しい町が」や「生まれかわる サッポロの地に」との一節がある。まさにこのとおり札幌オリンピックが北海道の新しい時代の扉を開いたと思っている。

 前回の札幌オリンピックのイメージは、開発、発展、成長、近代化などだっただろうか。
さて今度の札幌では、どんな位置づけの、どんなオリンピックにすべきなのか。オリンピックの開催が目的ではなく、北海道や今後の世界が実現すべき社会のあり方を象徴し、それを少しでも具現化するチャンスとすべきだ。

 21世紀に入っても世界の各地で紛争が勃発し、軍事的な危機は依然として存在したままだ。オーストラリの山火事、甚大な被害をもたらす台風の日本への襲来、イカやイワシの不漁など気候変動も深刻だ。経済活動によって富が特定の層に集中するなど資本主義の行き詰まりも語られている。私たちの暮らし社会に利便性をもたらすと考えられているAIも、その進化によって貧富や格差の拡大が生じている。今、私たちは、これまでにはない大きな問題を抱え込んでいる。こんな状況の中で国家間の対立煽ったり、単に営利だけを目的とする大会であってはならない。

 持続可能性のある人間社会を構築することが世界の大きな課題だ。オリンピックのあり方そのものが、持続可能なものでなければならない。
 華美ではないが、多くの国民にとって真の豊かさとは何かが実感できること。自然エネルギーを基本に、少ないエネルギーで快適な暮らしを実現すること。北海道の大地、空気、水をはじめ環境を大切にすること。これらは全てこれからの私たちが目指すべき社会の基本となる。
 
 こうしたことを念頭に置きつつ、10 年後に実現すべき北海道の暮らし、産業、地域などのあり方を大胆に構想すること。10年計画でそれを実現するための具体的計画を立てること。その計画の具現化の象徴として、新しいオリンピックが開催できればと思う。
 自由、平等、連帯を共通の価値観として確実に認識しながら民主主義を再構築し、私たちが直面している問題にしなやかに立ち向かう大会とすべきだ。

 次の札幌オリンピック開催が、単なる物質的豊かさをもたらすものであってはならない。私たちの心のあり方や生き方を見つめ直し、北海道民の将来に豊かな光が降り注ぐものとする必要がある。

==以上、引用終了==

3年前にこのようなことを書いておりますが、基本的に今もこの気持ちに変わりはありません。

今回の東京オリンピックを見ていると、剥き出しの商業主義が横行し、
スポーツの祭典がゆがめられていると思わざるを得ません。

カール・シュランツ、この名前を覚えている人は少なくなったかもしれません。

カール・シュランツ選手は、札幌オリンピックの3日前に、
五輪憲章のアマチュア規定に反するとしてIOCから失格を言い渡されました。

今日は詳細を書く時間がありませんが、50年前のオリンピックは、商業主義とは大きな距離があったのです。

たとえそれがたて前であったとしても。

それがこの 50年で大きく変化しました。

今はプロの選手も参加しますし、広告も当たり前です。

オリンピックと営利事業との関係を確実に整理しなければなりません。

さあ今日もブレずに曲げずに、確実に前進します。
===2022.9.2===

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皆様のコメントを受け付けております。

  1. こんにちは。

    私事で恐縮ですが、札幌オリンピックの翌年4月、北大理類に入学しました。
    それ以前の札幌に関する知識はほとんどなく、また、北大が北海道のどこに
    あるのかさえ知らず、受験のために航空券とホテルの予約をした旅行社の
    窓口で笑われたほどです。

    入学当時の札幌の印象は以前、この場に書いたと思います。街の片隅に残る
    古い札幌の面影、そして、生まれ変わった札幌の表の顔。どれも愛媛とは
    別世界でした。しかし、13年前と3年前に同期会で訪れましたが、当時の
    面影は行く度に無くなりつつあり、なんだか残念な思いをしました。時代は
    変わる、過去の感傷に浸ってはいられないと言ってしまえば、それまでですが、
    それにしても、せっかく生まれ変わったはずの街並みが、どこにでもある
    ような殺伐とした街並みに変わっていく様子を見ると、悲しい気持ちになりました。

    さて、先般、北大のHPを見ていますと、大学の世界ランキング(嫌なという
    かオカシナ代物ですが、この際、使えるものは親でも使う精神)で、SDGs
    への取り組みの評価で北大が世界ランキング10位、国内トップとなったと
    報じられていました。まさに、逢坂さんの言われる「持続可能のある人間社会」
    の先端を走っていると言って良いでしょう。2度目の札幌オリンピックを
    開くとすれば、その核の一つに、北大がなる事が出来そうです。
    産学共同には眉唾物を感じますが、民学協働は大いにあってしかるべし。
    五輪利権を絶ち、下記に要約引用させて頂いた方向であれば、
    オリンピック開催に賛成です。

    ―(引用)――――――――――――――
    …北海道の大地、空気、水をはじめ環境を大切にすること。これらは全て、
    これからの私たちが目指すべき社会の基本となる。その計画の具現化の
    象徴として、新しいオリンピックが開催できればと思う。

    …自由、平等、連帯を共通の価値観として確実に認識しながら民主主義を
    再構築し、私たちが直面している問題にしなやかに立ち向かう大会とすべきだ。
    ―――――――――――――――――――

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