徒然日記

教職員が安心して働くことのできる環境を/逢坂誠二 7916回

夜明け前の函館の空、雲が少ないのですが、太陽が昇る付近だけに雲があります。気温19度程度です。日中も晴れ、28度まで上がる見込みです。今日は朝街頭に立ちます。その後、厚沢部などを回り、奥尻入りします。

1)教職員が安心して働くことのできる環境を
学校現場では、ずいぶん前から、いわゆるブラック労働が横行し、先生方が大変辛い状況に置かれています。これを改善しなければ、日本の教育が崩壊するという強い危機感のもと、教職員の処遇の改善、教職員の増加、さらには教育現場をサポートする人材の配置などを訴えて参りました。しかし政府も自民党もこうした声に耳を傾けることなく、ずっとやり過ごして来ました。

一方で、教員現場の厳しさを知ることとなった学生の皆さんに、教員採用試験を忌避する傾向が強まっています。これにより教員志望者が減っています。こうしたこともあり、現在、教員不足が常態化し、産休や病欠の先生の補充ができないばかりか、学級担任の確保にすら事欠く状態になり、学校現場の苦境はより深刻になっています。

政府は、遅ればせながらこうした実態を認識することとなり、その対策をやっと検討し始めました。この検討の一環として8月27日、中教審は「令和の日本型学校教育を担う質の高い教師の確保のための環境整備に関する総合的な方策」を文科大臣に答申しました。

その内容は、現在の給特法の枠組みを残したまま、「教職調整額」 を 現在の4%から10%以上に引き上げることが一つの柱ですが、私はこの答申を知り、驚きを禁じ得ませんでした。

給特法とは、先生方には時間外手当を払わない代わりに、あらかじめ本給の4%を給与に上乗せをするというものです。つまりいくら時間外労働を行なっても、給料の4%相当の手当しか出ないのが現在の制度です。今回は、この上乗せを10%以上にするという提案です。

問題解決の本質は、教職員の皆さんの過酷な労働環境を改善することです。手当さえ増額すれば、何とかなるというものではなく、常態化している過酷な長時間労働から教職員の皆さんを解放することが必要なのです。それにも関わらず、給特法の枠組みを残し、手当だけを増額したのでは、「定額働かせ放題」と揶揄されている現状を追認するだけのことになってしまいます。

私が街頭に立っていると教育関係者の皆さんから「お金のだけの問題ではない」、「業務を減らすことが先決」「人を増やさないと抜本解決にならない」等の声が寄せられますが、当然のことです。

このままでは教職員の疲弊は増すばかりで、日本の教育の崩壊を止めることができません。教育は国の基礎、基本でです。ここが揺らいでしまうと、子どもたちの学びを阻害し、日本の将来に大きな禍根を残してしまいます。

とにかく教育予算を増やし、教職員の皆さんが安心してその本来業務に確実に専念できる環境を作り出さねばなりません。

さあ今日も、ブレずに曲げずに、確実に前進します。
【24年9月3日 その6219『逢坂誠二の徒然日記』7916回】

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皆様のコメントを受け付けております。

  1. こんにちは。

    教職員の数、授業の準備のための時間、どちらも大幅に増やすべきですね。
    たまたま、昨日、山の畑へ行く道の途中にある、元小学校の教師であった
    同級生のアトリエを訪れました。

    話題が、「教職調整額」の話になった際、彼曰く、教師はお金が目的で
    働いているわけではないので、事務的な仕事などの本来教師が取り組む
    べき事とは別の事に費やす時間を削り、子ども達を教えるための準備や
    勉強にかかる時間、子どもたちと触れ合う時間、こうした時間を増やす
    事が出来る様、制度を再構築して欲しいなとのことでした。
    もっともな話です。

    なぜ、自民党政権は一貫して教師の数を増やさず、「定額働かせ法」に
    固執するのか、些か不可思議ですが、一つには、教職員組合んの数が
    増えることに反対する、自民党文教族右派の妄執があるように思います。
    その看板が安倍氏だったわけですが、安倍氏亡き後も、惰性のごとく
    続いているようですね。教育の充実による日本の国力の向上よりも、
    愚昧なイデオロギーに固執する亡国の人々とも言えます。

    それはそうと、恐らく以前にも書いたと思いますが、元愛媛県知事
    であった加戸守行氏が、知事選挙に担がれて出る際、言った言葉が
    改めて蘇ります。彼は、大連から引き揚げてきて、小学校では、今で
    いう特別支援学級に入り、その間、散々に嫌なことを経験したのでしょう。
    すっかり反共文部官僚となり、「…教育職員の給与等に関する特別措置法」
    制定時にも、何らの形で若手官僚として関係したのでしょう。

    その頃のことに触れて、「日教組が五月蠅いので、小遣いを付けて
    やった」等と言うような表現で、当時の文部省内の雰囲気を語って
    いました。文部科学省の中では、今も同じ雰囲気が漂っているのでは
    ないでしょうか。

    これでは、国民は救われません。

    うらべ
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