徒然日記

8月14日 その2548『逢坂誠二の徒然日記』




明日は、8月15日だ。

69年前の今日の昼頃からの24時間は、
日本のもっとも長い一日だったと言われる。

天皇の玉音放送を阻止するために、
宮内庁や官邸などでは、
武力行使を含む激しいせめぎ合いがあったのだ。

1)公文書
毎年この次期になると、
第二次世界大戦などに関する、
新たな事実が報道されることが多い。

重光外務大臣が、
1944年5月にソ連の仲介によって、
中国との戦争の終結を目指していた事実があったことが、
今朝、報じられている。

この事実は、東京新聞が入手した
当時の公電などによって明らかになったものだ。

こうしたことからも分かる通り、
当時は機密であった公文書も
のちの時代に確実に公開されることが大事だ。

ところが今回の文書も、
日本の公文書館で発見されたものではない。

個人が、たまたま保管していた文書が、
この貴重なものだったということだ。

終戦前には、おびただしい文書が焼却された。

今回の文書も役所では、
非常時には焼却対象となる文書だった。

それがまさに偶然、個人が所有することになったために、
今、我々はこの事実を知ることができる。

本来こうしたことが偶然に起きてはならない。

どんな機密であれ役所が確実に保管し、
後の時代に公開する仕組みを確立せねばならない。

こうした公文書管理の重要性は論を待たないが、
特定秘密保護法の施行によって、
ただでさえも脆弱な日本の公文書管理が、
さらに骨抜きにされる強い懸念を感じている。

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それにつけても思う。

重光外相が終結させたいと考えた中国との戦争は、
結局は終結させることはできなかった。

一度始めた戦争を終わらせることが、
この史実からも、今のイラクやパレスチナからも、
如何に困難なものであるかが良く分かる。

2)戦争の現実
9時間以上に及ぶ反戦映画『戦争と人間』を、
移動時間などを利用して何とか観終えることができた。

今は、この原作となった五味川純平さんの
同名小説『戦争と人間』を、
読んでいる最中だ。

この夏は、
戦争や歴史ものにたくさん触れたいとの目標を立てて、
こうした映画や小説、参考図書を意図的に読んでいる。

映画や小説には、
公文書や年表などからは伝わらない現実がある。

社会的な立場によって、
戦争の持つ意味が全く違っているということだ。

戦争の最前線で戦うのは、
軍の中では、名もなき一兵隊が多い。

幹部クラスの皆さんにとっての戦争と、
最前線で戦う皆さんの戦争は確実に意味が違っている。

地域や都市を、占領、占拠することで、
多くの罪なき市民が苦境に陥れられる。

しかし大資本家やその関係者の多くが、
そうした戦火とは全く無縁の状態でいられる。

同じ国民であっても
戦争が個人に与える影響は全く違っている。

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戦争を決断する皆さん、戦争を想定する皆さんと、
その戦争によって直接的に命を落とす人々が明確に違っている。

これが戦争の現実だ。

国家のために、国のためにとの大号令のもとで、
その戦火の災いを受けるのは、
多くの個人であることを忘れてはならない。

さあ今日も、しっかりと前進します。
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        2014・8・14
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