徒然日記

4月6日 その3199『逢坂誠二の徒然日記』(4843)

今日はいつもよりも一時間早く、午前3時から活動を開始した。

TPP、公文書管理、外国人技能実習など、対応すべき案件が山積だ。

とにかく全力で、諸課題に打ち込む。

1)公文書管理議連
昨日、民進党が誕生後初の
「情報と公文書管理等を考える議員連盟(公文書管理議連)」
の会合が開かれた。

公文書管理法附則13条には、次の規定がある。

「政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律の施行の状況を勘案し
つつ、行政文書及び法人文書の範囲その他の事項について検討を加え、必要があ
ると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする」

この規定を受けて公文書管理委員会において
昨年9月から公文書管理のあり方について検討を開始し、
去る3月28日に「施行5年見直しに関する検討報告書」を発表した。

昨日の、公文書管理議連ではこの内容について、
政府から報告を受け、質疑を行った。

この報告を受け、
政府において具体的な措置が講じられることが期待されているが、
昨日の報告だけでは、必ずしもその措置の姿が見えるものとなっていない。

特に国会審議では、安保法制やTPP等を巡って、

公文書のあり方が問題になっているが、逆に報告書では
「我が国の公文書管理の現状が様々な点において改善が見られる」
との認識が示され、
公文書管理委員会の公文書の現状に対する踏み込みが甘い印象を受ける。

特に行政文書の範囲についての認識が甘い。

報告書では、「行政文書の定義」に関し、

「情報公開・個人情報審査会においては、
行政文書の範囲に関し判断を行っている答申例が積み重なってきて、
安定してきている」との認識を示し、

「「組織的に用いるもの」の解釈については、行政機関の事務の実質を鑑みつつ
総合的な判断を行っている」としているが、
この認識は、国会審議の現実などから判断すれば、
相当に違和感のある内容と思われる。

行政文書管理の今後の見直しの方向性に関し、次の記述がある。

「各行政機関において、どういう形で文書を整理しどの媒体で保存するかのが望
ましいか等について主体的な判断がなされていくことが重要」

この点について、
各行政機関が主体的な判断をすれば、
国の公文書管理の均質性が保てないばかりか、
各行政機関が恣意的な公文書管理を行う懸念も払拭できない。

本来は、各行政機関からの独立性の強い組織が、

各行政機関の公文書管理を指導すべきものと思う。

その際に、各行政機関の諸活動をどう記録するかが、まず問題となり、
その上で、どういう形で文書を整理し、
どの媒体で保存するのかが望ましいかを
考えるべきものだと思われる。

こうした点も含め報告書の認識は極めて物足りない印象を受ける。

公文書管理議連では、情報と公文書管理等について、
今後も継続して考察を深めて参りたい。

2)TPP
昨日、TPP関連法案が衆院本会議で審議入りした。

今後、衆院の特別委員会でさらに具体的な質疑が行われる。

しかし、改めて思う。

20を超える幅広い分野に関し、遠い先までのあり方について、
アメリカをはじめとする他国と約束を交わすことは、極めて危うい。

政府は、そのことによって国内の各産業や医薬や福祉、
さらには社会保障がどうなるのか、
国民生活にどんな影響が出るのか、
こうした点を描き切ることはできていない。

これは現にある政府として、極めて無責任な態度だ。

TPPによって、
関係各国間の資本経済、実体経済、

いずれもがこれまで以上に自由な取引となる可能性が高い。

総理の言うところの、
アジア太平洋圏に大きな経済圏ができることになる。

TPPによって、日本政府は日本経済に対する主権、
つまり経済ルールの日本独自の決定権を
どの程度維持できるのだろうか。

少なくとも、その独自の決定権の範囲は、
今よりも狭くなることになるだろう。

政府は、

経済、財政、社会保障などの様々な政策を通して、
国民生活を守るための取り組みを行っている。

TPPは、単なる貿易政策ではないことは、安倍総理も認めている、

TPPによって、日本独自の経済政策、社会保障政策、さらに財政政策に、
一定のタガがはまる可能性があり、
政府の政策選択の自由度が低くなることが予想される。

それは結果的に、
政府の国民生活を守るための政策範囲を狭めることになる。

TPPによって、好むと好まざるに関わらず、
小さな政府に突き進むのだろう。

日本国民は、本当にそんな政府を望んでいるとは思われない。

3)安倍政権断末魔の叫び
新年度予算が成立したばかりだが、
安倍総理は昨日の閣議で、
新年度予算約12兆円の前倒し執行を指示した。

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前倒しする12兆1000億円の内訳は、
一般会計に計上した道路や港湾、治水、農業農村整備など公共事業と、
学校などの施設整備事業が計7兆7000億円。

特別会計に計上した東日本大震災からの復興事業や
空港整備事業などが計2兆2000億円。

高速道路会社や都市再生機構の実施する整備事業など
計2兆2000億円も対象。

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すなわち公共投資の前倒しということだ。

何のためにこんなことをするのか。

アベノミクスなるものが予想通りうまく機能していない。

景気が失速する可能性が否定できない。

それを補うのが、公共投資というわけだ。

確かに公共投資は、
カンフル剤として、投入額に応じたGDPの押し上げ効果がある。

しかし問題が幾つかある。

公共投資は、設計や用地交渉などの事前準備がなければ、
どんなに予算が計上されても適切に執行できない。

つまり公共投資予算の執行には、ある程度の限界があるということ。

これを回避するためには、
公共投資の優先度合や必要性を度外視して、
準備の整った事業に特化せざるをえない。

しかしこんな景気経済対策ばかりを優先することが、
適切な社会基盤整備となるのか疑問だ。

さらに新年度予算を前倒しすれば、
本年度後半予算が不足するのは当然だ。

そうなれば補正も含む追加の経済対策が必要になるが、
財源、財政規律はどうなるのだろうか。

また社会の予算消化能力以上に過大な予算執行が求められると、
当然、人件費や物件費が高騰することになる。

つまり厳しい財政の中で無理をして予算をばら撒き、
優先順位について十分な考察もできない、
単価の高い非効率な公共投資を乱発することなっている。

これは安倍政権断末魔の叫びに聞こえるが、
こうした批判をするマスコミは少ないようだ。

今日は、法務委員会での質疑、
明日は原子力特別委員会での質疑。

とにかく全力で、国会審議に立ち向かう。

さあ今日も、確実に前進します。


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             2016.4.6

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皆様のコメントを受け付けております。

  1. おはようございます。

    この国会は、今までに見たことのない国会ですね。
    やりたい放題の議案審議につけて与党だけの都合の良い審議ですね。

    消費増税問題について総理は、増税か延期かと迷っているようですが、言ってやって下さいよ。
    「総理、何を迷っているのか?そして軽減などしなくても良い。なぜなら、増税をしなければ、国の借金を返せないでしょう。そして、軽減法を取ればそれに又、税金を投入して税収が減る。依って、その分は、後世につけを残す事になるでしょう。だから、躊躇なくやるべきです。先日迄総理もそう考えていたのではありませんか?」とインパクトのある発言者を選んで(昔の解散表明の様に)テレビ中継のある審議でゆあって下さい。

    国民は、2ポイントの増税位でびくともしません。
    それよりも、総理の毎日の夕食(外食)を辞めさせる様にするべきでしょう。自費でなら良いですが国費を使って自分達のトリマキばかりとの会食は「いけません」。気の小さい何も出来ない総理ですから仕方がないと言えばわかる様な気もしますが、で、あれば自費でやれよと言って下さい。

    国民が理解のできる国政を頑張って下さい。

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