徒然日記
4月2日 その1710『逢坂誠二の徒然日記』
昨夕、
地元での仕事を終えて、
都内入りした。
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夜明け前の都内、
空には雲がなく地平線付近が
徐々にオレンジ色に染まって来た。
日の出まで、
いつまでも眺めていたいくらい、
スッキリとした空だ。
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冬至のころの日の出は
6時50分頃だったが、
今日の日の出は5時26分、
随分と早くなっている。
6月の夏至の頃になると、
さらに今よりも1時間も日の出が早くなる。
その頃、東京は4時20分台だが、
北海道はもっと早くて3時50分頃になる。
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今の都内の気温が7度程度、
日中は14度位まで上がるとの予報が出ている。
新年度のスタートに相応しい
ポカポカとした日差しが降り注ぐ一日になるだろう。
1)諸行無常
昨日参加した会合で、
人生について、
さらに諸行無常について考える機会を頂いた。
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諸行無常とは、
「この世にあるすべての物は
たえまなく移り変わっていて
常住するものの全くない」ことの意味だ。
諸行:全てのもの
無常:つねに変化する
諸行無常を知り、
貪欲(とんよく)を捨てることの大切だ。
「生住異滅」
ものが生まれ、とどまり、変化し、消滅する、4つのあり方。
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聖徳太子の言葉、
「世間虚仮 唯仏是真」も同様の言葉だ。
「変化してやまない迷い多きこの世は仮のものであり、
唯一、仏の世界のみが真実である」
このことを知らしめることで、
自他ともに仏の世界に至ることができる。
この世の中に執着する価値のあるものは皆無。
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「一切皆苦」
「苦」の原語は、パーリ語のドゥッカ(dukkha)。
「苦しい」という意味以外に、
「不安定、不完全、不満足、虚しい」等の広い意味があり。
「一切皆苦」は、
「すべての存在は不完全であり、
不満足なものである」との意味にもなる。
不完全であるから、
常に変化して止まることがない。
永遠に存在するものはない。
全ての存在は、
思いどおりにならないものだ。
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人生とは、
食べて、寝る以外は、暇つぶし。
ありのまま、あるがまま。
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主観的に生きる人間を
客観的に見るのが仏教の智慧。
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以上のようなことをノートさせて頂いた。
日ごろは、具体のことばかり、
時間にせつかれながら、
刹那的にものごとをこなすことが多い。
そんな中で、
ゆっくりと人生を考える時間を頂いた。
心から感謝している。
2)転向
ドイツは、
昨年3月11日東日本大震災による
福島原発事故のわずか四カ月後に
「2022年12月31日まで原発全廃」を決めた。
これは実に素早い判断だ。
この背景には、
40年にわたる準備と議論があったからだと言う。
この一連の経過について、
熊谷徹著『なぜメルケルは「転向」したのか』(日経BP社)
に詳しく書かれている
ドイツと言えばビオトープや自然エネルギーなど
エコロジーの国とのイメージが強い。
しかし丁寧にドイツの取り組みを見ると、
一足飛びに自然エネルギーへの方向が
定まったわけではない。
ドイツでは、
いつの時代もエネルギー問題について、
激しい議論をしている。
その幾多の議論の積み重ねがあったからこそ、
福島原発事故からたった四カ月に
原発全廃を決められたのだという。
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今回の原発全廃の決定を大きく左右したのは、
科学技術の専門家の意見ではなく、
科学技術の専門家ではない倫理的な側面から判断だった。
もちろん専門家の意見もたくさん聞いているし、
ストレステストも次の10項目について行っている。
1
地震
2
洪水
3
その他の自然現象(気候変動など)
4
停電(ステーション・ブラック・アウト=SBO)
「2時間を超える場合と72時間を超える場合に分けて分析」
5
冷却システムの停止
6
航空機の墜落
(物理的な衝撃に対する耐久性と、航空燃料による火災への耐久性)
7
ガスの放出
(可燃性ガス、有毒ガス)
8
ガス爆発
9
テロ攻撃による重要なシステムの破壊
10
サイバー攻撃
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このストレステスト等の結果、
ドイツの原子炉には高い耐久性があると言える」等、
原子炉の廃止とは違う結論を出している。
戦後のドイツでは「科学と倫理」の
バランスをチェックすることが重要な課題になっている。
これは、カナダなどにおける、
民主的な議論の過程でも重視されていることだ。
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ドイツでは専門家が、
「安全性の問題があるので原子炉を廃止する必要がある」とは
報告しなかったのだが、
倫理委員会、つまり原子力技術のプロではない人々が、
次の報告をした。
「福島事故は、原発の安全性について、
専門家の判断に対する国民の信頼を揺るがした。
このため市民は、
『制御不可能な大事故の可能性とどう取り組むか』
という問題への解答を、もはや専門家に任せることはできない」
時間の都合で、
あまり多くを紹介できないが、
四カ月間に、人間中心主義の考え方などを含め、
相当な議論を積み重ねて
ドイツでは原発全廃を決めたのだ。
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筆者の熊谷さんは、日本では、
「エネルギー政策について
刀で切り結ぶような白熱した議論も行われていない」
と指摘する。
日本のことを「木を見て森を見ない社会」とも指摘する。
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この本は、
メルケルの転向という内容以外に
実に多くの示唆に富むことが書かれている。
刀で切り結ぶような議論をしなければならない。
さあ今日もしっかりと前進します。
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2012・4・2 Seiji Ohsaka
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私の本を読んでくださり、どうも有難うございました。大変詳しいご感想を書いてくださり、心から感謝いたします。お元気でお過ごし下さい。
熊谷 徹