徒然日記

23年1月17日 その5624『逢坂誠二の徒然日記』(7321)

夜明け前の都内、空に雲がありますが、多少、星が見えます。今の気温は2度。日中は晴れ、8度になる見込みです。
阪神淡路大震災から28年目の朝です。私は、前年にニセコ町に就任し、新米首長として仕事をしていました。当日は神戸からニセコに修学旅行に来ていた高校生が、予定通り地元へ帰ることができず、その対応などを行いました。犠牲になられた皆さんのご冥福を、改めてお祈りします。

1 )綱渡の日銀
一昨日も書いた通り、日銀は今、長期金利の指標となる新発10年物国債を中心に買っていますが、それによる「ゆがみ」も発生しています。本来、国債の利回りは、残存年数が長ければ高くなります。5年よりも10年の方が高く、20年はもっと高いのです。ところが日銀が10年物を中心に金利を抑え込んでいますので、本来は残存年数に応じて上がるはずの金利に残存10年だけが低いという「ゆがみ」が生じています。12月に日銀が国債の目標利回りを0.25%程度から0.5%程度に変更した際、この「ゆがみ」の是正を理由にしていました。ところが0.5%に変更しても「ゆがみ」は是正されていませんので、さらなる変更を迫られる可能性があります。
このゆがみは日銀が意図的に作り出したものとも言えるのですが、10年物国債の利回りが実力と違った水準にあることを意味します。経済の基礎体温を無理して下げているのですから、当然のことです。そうなれば10年債利回りが、長期金利の指標としての役割を果たせなくなるのです。会社が発行する社債は、通常、この10年債利回りを基準に、会社の信用度などを加味して、利回りが決まります。しかし肝心の基準が当てにならなければ、社債の利回りはどの程度が妥当か、発行する企業も投資家も判断できなくなってしまいます。
昨日も新発10年物国債利回りは一時0.51%まで上昇しました。これは2営業日連続です。今日と明日に実施される日銀の金融政策決定会合で許容利回りを再度変更するとの観測から国債が売られたためと見られます。そこで日銀は昨日も2兆1148億円の国債を買い入れました。これで 1月の国債購入額は16兆2409億円と、通知日ベースで過去最大となった昨年12月(17兆266億円)に迫っています。日銀と市場との攻防が続きますが、いつまでこんなことができるのか、私には相当に危うい状況に見えます。こんなに日銀が国債を買うならば、国債市場の機能が完全に低下してしまいます。
金融政策決定会合で、どのような決定がなされるのか分かりませんが、1番可能性が高いのが政策修正なしだと思います。ただし、長期金利の実勢レートが、引き続きいまの変動幅の上限(0.5%程度)を上回る可能性があります。国債市場の機能不全がさらに広がって円高・株安になるかもしれません。次に考えられるのが0.75%程度への上限の引き上げですが、すぐに上限の 0.75%に追いつくと見ている専門家が多いようです。そのためもっと上限を引き上げる、あるいは上限を撤廃するのも選択肢ですが、金利が一気に上がる可能性があり現実的とは思われません。政策の選択肢が極めて狭い上、有効な政策を打ち出せないのが現実です。政策の選択肢を失わせ袋小路に入ってしまった。つまりブレーキのない車に乗ってしまった、これがアベノミクスが引き起こしている現実です。こんな状態の中で、日銀総裁を引き受ける人がいるのかどうか、悩ましい状況です。

さあ今日もブレずに曲げずに、確実に前進します。

===2023.1.17===
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皆様のコメントを受け付けております。

  1. 「地域があって国がある」のフレーズを掲げる逢坂誠二氏を政治家の中で一番信頼尊敬しています。国会中継の質問は一番核心を突いています。安倍政権が 文鮮明支配下の統一協会に踊らされた内閣と判明しましたが、「秩序・自由」破壊の不義の政治が持続し、民主主義を自滅させました。軍拡が進み、沖縄は米国の属州状態です。真実は隠蔽され、唯一赤木俊夫氏の死の抗議で暴かれました。私は 赤木俊夫氏と「水と緑の大地」の開発に尽力された中村哲医師と黙々と働き、九条を遵守される労働者のお陰で生かされています。
    今の自民党は 2006年に教育基本法を改正し、民の尊厳教育から国家優先の教育勅語が復活しました。萩生田文部大臣の時、大臣室に額縁入りで掲示するほど明治に回帰しました。
    今 JR北海道鉄道が廃止され続けていますが、鉄道は地方自治を守る大事なしゅだんです。世界人権宣言によれば 大きな人権侵害問題です。ニセコ町の働きを北海道で働いて下さい。

  2. 日本経済の視点の確かさに 日本を先導する政治家と判断しました。
    歪んだ自由民主党に対抗できる唯一の人材なので、立憲民主党と共産党の党首に推薦します。
    日本を取り戻すため 共産党も協力すると思います。
    「平和的生存権保障」が日本憲法の心です。ウクライナ・ロシア戦争を止める為に 世界平和を普及させる為に 日本憲法の九条の普及を求めます。

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