徒然日記

3月16日 その2033『逢坂誠二の徒然日記』





函館は曇りの朝を迎えた。



気温はプラス5度程度。



朝のうちが今日の最高気温。



これから徐々に気温が下がって、

夜には氷点下になる見込みだ。



今日は、曇り、雪、雨…、

こんな予報が出ている。







1)TPP

安倍総理は、昨日、

TPPへの交渉参加を正式に表明した。



総理は、

TPPを「アジア・太平洋の未来の繁栄を約束する枠組み」と位置づけ、

交渉参加を「国家百年の計」だという。



日本は、7月にも協議に加わる見通しだという。



政府の試算によれば、農業にとってはマイナスになるが、

実質国内総生産は3・2兆円押し上げられるという。



これは何を意味するのか。



日本経済における農業の割合を縮小し、

その他の分野を増やすということだ。



昨日、総理の記者会見でも、



「すべての関税を撤廃した場合でも、

 我が国経済全体としてはプラス効果が見込まれる」



と発言した。



つまり安倍総理の本心は、

最終的には聖域などを意識していないということだ。



その証拠に、次のような情報がある。



====



シンガポールで行われていたTPP第16回交渉会合が13日に終了し、

アメリカ通商代表部(USTR)は声明を発表。そ



この声明には、関税を含むいくつかの交渉グループは、

最終段階の会合まで集まる予定はない、

という次の内容が含まれている.



関税(customs)、通信(telecommunications)、規制の統一(regulatory
coherence)、開発(development)を含むいくつかの交渉グループは、今後の会
合で法的文書に関して再度集まっての議論は行われず、これらの分野において
残った課題は、合意がファイナルとなる最終ステージの会合で取り上げられる予
定である。このことにより、TPP参加国は、知的財産権、(公的機関の)競争、
環境といった、残った最も難しい問題の解決に努力を集中させることができる。



USTR声明の原文は以下。



http://www.ustr.gov/about-us/press-office/press-releases/2013/march/tpp-negotiations-higher-gear



つまり今回交渉が終了する関税や通信などの分野に関しては、

日本の交渉の余地はないということだ。



こんなTPPに突き進むのは信じられない。







2)研修生

一昨日、広島県で中国からの研修生が、

経営者などを殺傷する事件が起きた。



この研修生は、

広島名産である牡蠣の加工場で研修していた。



その研修内容、

つまり日常の仕事に不満を持っていたらしい。



牡蠣の加工場での仕事は、たいへん厳しいもので、

日本人高齢者が引退しても、

日本人の若者のなり手がいないらしい。



そんな状況だから、

外国人研修生に頼らざるを得ない現状がある。



研修生は、労賃の安い労働者ではなく、

日本の技能を学びに来ているのが建前だ。



しかし研修現場の実態は、

日本人労働の不足を補う労働力としての役割を

果たさざるを得ない現実がある。



これは何も牡蠣の加工場に限ったことではなく、

他の加工業や製造業にもあてはまることだ。



====



この外国人研修生の仕組み、現場の実態には、

様々な課題が多く、

早期に、それらの課題を解決することが求められている。



しかしこの外国人研修制度は、

外務省、法務省、厚生労働省に跨る案件だ。



研修の現場が水産加工なら、

農林水産省の関与も必要になってくるかもしれない。



このように多くの省庁にまたがる案件について、

事務方に指示をしても簡単に動くものではないし、

相当に時間を要することになる。



こうした案件は、

政治の力でキチンと筋道を整理し、

各省の調整にも配慮した上で、

関係各省に対して総合的に指示を出す必要がある。



場合によっては議員立法も必要だろう。



====



外国人研修制度は様々な問題を孕んでおり、

これを放置すれば、今回の広島の事件に限らず、

さらに別の問題も発生し兼ねない。



私は、以前からこの問題に対処するためには、

超党派の議連が必要だと考えていた。



こうした議連を立ち上げられるよう、

関係議員にも働きかけてみたいと思う。







3)汚染水のタンク

東京新聞の報道で、やはりと思うことがあった。



東京電力福島第一原発では、

高レベルの放射性汚染水が

一日に400トンのペースで増加しているのは周知のことだ。



この汚染水は、

海に流すわけにも、

どこかに捨てるわけにも行かない、

極めて厄介なものだ。



現在これは、容量1千トン余りのタンクに保管し、

原発の空き地に保管しているという。



その数は、既に千本にも及び、

保管用地もあと3年で満杯になるという。



今回の東京新聞の報道では、

さらに厄介な事実が判明した。



現在、保管されているタンクの多くを、

急ごしらえで作ったため溶接されていないのだという。



本来溶接すべき部分には、

ゴムのパッキンをかませて、

ボルト止めをして急場を凌いだようだ。



そのため水漏れのおそれがある上に、

ゴムパッキンの耐用は5年程度しかないという。



つまり新たなタンクに移し替えなければ、

またしても海洋投棄などの最悪の事態となり兼ねないのだ。



タンク置き場が満杯になるのが3年後程度、

そしてパッキンの耐用も3年後程度…。



2016年春には、

放射性物質を含む汚染水保管が破綻し兼ねない状態だ。



原子力発電所への対応は、

やれどもやれども尽きることのない、

気の遠くなる作業であることは、

この汚染水問題を見ても明確だ。







さあ今日も、しっかりと前進します。

=============

     2013・3・16 Seiji Ohsaka


=============


マグマグの送信登録・解除はこちらです。
http://www.ohsaka.jp/magazin/



  
  

皆様のコメントを受け付けております。

記事に投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です