徒然日記
6月30日 その2137『逢坂誠二の徒然日記』
今日と明日、都内で用務があり、
昨夜遅く、岩見沢から都内入りしている。
今朝の東京は雲の多い朝を迎えた。
朝の気温は22度、日中は27度との予報が出ている。
1)公約なるもの
参院選挙を目の前にして、
公約の内容に関する議論が多いが、
そもそも公約とはどんな性質を持っているのだろうか。
手元の辞書で「公約」に関しては次の記述がある。
〔選挙のときなどに〕
政府・政党・政治家などが国民に対して
自らの打ち出した政策を実行すると約束すること。
また、その約束。
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確かにその通りなのだが、
公約とは難しいものだ。
通常公約は、複数項目に及ぶことが多い。
有権者の一票は、
・
その全てに賛成して投ずる
・
その一部に賛成して投ずる
・一つも賛成はしないが雰囲気などで投ずる
など、さまざまなパターンがあるだろう。
したがって、
複数の公約を掲げて当選した場合、
その全ての公約に対し、
有権者から白紙委任的な
実施の了解を貰ったわけではない。
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公約を実現するためには、
予算案や法案を提出し、
議会で議論し、採決するなどの
政策実現のための過程を経なければならない。
白紙委任されているわけではないので、
この政策実現過程の中で、
色々な意見を聴いたり、
政策の内容を深め最終的な実行に移る。
この中で、公約案件が、
修正されたり否決されたりすることもあろうが、
当選者としては、公約の実現に向け、
具体的に着手したことは事実だ。
修正や否決は、
公約どおり実現できなかったという点で、
問題視せざるを得ないことだが、
それをどう評価するかは、
個別事例に則して判断されることになるだろう。
否決や修正があったとしても、
当選者としては、公約の実現に向け、
最低限の行いをしたといえるが、
大きく問題になるのは次の場合だ。
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・公約項目に着手しない
・公約項目を大きく変更して着手する
・公約項目にないことに着手する
私は、選挙時の事情が後に変化し、
公約項目が変化することは当然あると考えている。
だから上記のようなケースは生じ得るものだと思う。
しかし絶対に欠くことができないのは、
変更が生じたことに対する、
まず丁寧な説明だ。
もちろん丁寧な説明があるからといって、
有権者の理解が得られる保証はないが、
とにかく丁寧な説明を必死に行う必要がある。
その上で、次のことが考えられる。
・有権者の理解が得られ政策実現過程に向かう
(もちろんその後の否決、修正はあり得る)
・有権者の理解を得られず政策実現過程に至らない
・有権者の理解を得られないが政策実現過程に向かう
(当然この場合も、その後の否決、修正はあり得る)
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当然この三つの中で、
特に問題になるのは、
有権者の理解が得られないが政策実行過程に進む、
三番目のケースだ。
今回の消費税議論は、
まさにこのケースだ。
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三年前の参議院選挙時、
菅総理が突然、消費税議論をぶち上げたように見えた。
なぜ突然ぶち上げたように見えたのか?
それは丁寧な説明を欠いているからだ。
つまり公約変更の第一の要件を欠いている。
次に、増税、
しかも全ての国民に影響のある増税は、
なかなか受け入れ難いものだ。
仮に増税せざるを得ない事情が理解されたとして、
そもそも増税は嫌なものであり、
できれば反対したいのが国民の思いだろう。
そんな中で、政策実現過程に着手した。
こうなれば国民の皆様の反応はどうなるか、
それは火を見るより明らかなことだった。
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今日は、私がなぜこんなことを書いたのか、
・公約は、変更できないものではないこと
・公約を変更には、相当に緻密で丁寧な説明が必要なこと
この二つを言いたかったがためだ。
もちろんどんなに緻密で丁寧な説明であっても、
重要政策、あるいは国民が嫌う忌避政策であれば、
相当に大きなしっぺ返しを受けることは覚悟せねばならない。
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しかしもっと悪いことがある。
国民、有権者の皆様が、
公約を実施できたか、
できなかったかを判断できないような、
曖昧な政策を掲げて選挙を戦うことだ。
今回の参議院選挙は、その可能性が高い。
今日は下弦の月だ。
さあ今日も、しっかりと前進します。
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2013・6・30 Seiji Ohsaka
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