徒然日記
3月12日 その2393『逢坂誠二の徒然日記』
函館は、静かな朝を迎えた。
昨晩は、雪も降っていない。
だが気温は低く氷点下7度だ。
正午ごろに、
かろうじて1度になるかどうか、
そんな予報が出ている。
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東日本大震災から3年目の昨日、
朝から夜まで慌ただしい一日となった。
1)大間
昨朝、札幌から帰函後、
即、フェリー乗り場に移動して、
大間に向かった。
大間原発敷地付近から、
ヘリウムを入れた風船を千個飛ばし、
放射能の拡散状況を可視化する取り組みに参加するためだ。
大間港到着時は、晴れ間が広がっていたが、
風船を飛ばす時刻が近づくにつれて、
吹雪状態となった。
霰(あられ)のような雪粒が、
頭や頬に当たり、
痛さを感ずるほどだ。
そんな吹雪の中に立っていると、
体の熱が一気に奪われてしまう。
主催者の挨拶などのセレモニーの後、
参加した約50人が、風船を空に放った。
風が強いため、風船を手から放すと、
地面の沿うように斜めに空に上がっていく。
周囲の樹木に引っかかる風船もあるが、
数多くの風船が空に上がる。
千個の風船を数度に渡って、空に放った。
万が一の事故の場合、
この風船のように放射性物質が拡散するのかもしれない…、
そんなことを思わせる風船飛ばしだった。
昨日は西から風が吹いていた。
環境に配慮した分解しやい風船は、
きっと太平洋方向に飛び去ったものと思う。
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大間までは、フェリーで片道約100分の時間を要す。
行き帰りのフェリーの中では、
参加された皆さんと車座になって、
原子力について意見交換をさせて頂いた。
実に有意義な時間を共有させて頂いた。
函館に向かうフェリー乗船中に、
14時46分を迎えた。
その時刻には、甲板に出て、
参加者の皆さんと一緒に
黙祷をさせて頂いた。
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朝、函館空港から港まで、
綱渡りの移動で、大間に行けるかどうか、
綱渡り状態だったが、得るものの多い、
有意義なイベントだった。
主催者、参加者の皆さんに感謝したい。
2)脱原発社会
大間から帰函後、
夜は、脱原発社会の実現に向けたシンポジウムに参加した。
タイトルは、
「フクシマの現状を知り、これからのフクシマを考えよう!」。
サブタイトルには、
「~脱原発社会の実現にむけて~」と付けられている。
メインは、
伴英幸 原子力資料情報室共同代表による講演だ。
講演の後半には、私と伴さんの対談も行われた。
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伴さんの講演に先立って、
福島から函館に避難している鈴木明広さんから、
福島の現状について報告があった。
福島では、小児甲状腺ガンが増えていること、
日本一の心筋梗塞発症率になっていることなどが報告された。
「脱被ばく」が極めて大事になっているとの指摘があったが、
福島など、原発に近い地域の住んでいる皆さんにとって、
それが実感だと思う。
また報道されないことに
興味を持って欲しいと話をされていたが、
極めて大事な指摘だと思う。
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伴さんは、静かな語り口だったが、
実に説得力のある盛り沢山の話をした。
今後の課題として、
電力システム改革と
再稼働させないこと、
この二つが鍵との指摘があった。
脱原発社会への移行は、
まず原発ゼロと決めることが出発点との発言もあった。
いずれも頷けるものだ。
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最近の規制委員会の話を聞いていると、
規制委員会では、
住民避難には関与しない方向に聞こえる。
総理は安全にお墨付きを与えるのは、
規制委員会とも受け取れる発言をしている。
つまり安全判断が宙ぶらりん状態になっているのだ。
新しい規制委員会をどうするかの議論の中で、
稼働などの判断については、
政治の影響力を排する方向が強められた。
しかし私は、最終的に安全にお墨付きを与えるのは、
政治の場でしかやれないと感じている。
様々な情報を収集して、
最終的に政治の場で、安全を判断すべきなのだ。
ここをハッキリさせていないから安全判断を、
総理と規制委員会が押し付け合う格好になっている。
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しかしどんなに政治が安全にお墨付きを与えても
原発に100%確実はあり得ない。
最終決定は、住民の皆さんが行うべきなのだ。
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昨日は、大間、そして夜のシンポジウムと、
非常に意義深い一日となった。
今日も、しっかりと前進します。
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2014・3・12
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