徒然日記

6月17日 その2490『逢坂誠二の徒然日記』





函館は今日も雲が多い朝だ。

もうすぐ夏至を迎える。

本来この季節は、
スッキリとした天候になる北海道だが、
最近は、ほとんど青空を見ることがない。

今日も終日、曇り又は雨の予報だ。

最高気温は21度と予想されている。

1)集団的自衛権
集団的自衛権の行使をめぐる与党協議で、
朝鮮半島での有事を想定し、

「避難する日本人を乗せた米艦を自衛隊が守る」

とのケースを政府が持ち出している。

ところが昨日の朝日新聞の報道によれば、
過去の日米交渉でアメリカは、
この場合の日本人救出を断っていたというのだ。

総理が何度も繰り返すケースだが、
「日本人の米艦乗船」は非現実的なことのようだ。

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特別なケースを想定して、
集団的自衛権を議論しているが、
防衛の専門家などの記事を読むと、
それは非現実的なものが多いようだ。

逆に集団的自衛権を行使した場合、
それによって発生するリスクへの議論はほとんどない。

行使すれば、
日本に対するテロのリスクが確実に高まるだろう。

テロは相手が特定できない場合が多いし、
国際法適用も全く関係のないことだろう。

テロは国家間の戦争以上に泥沼になる可能性が高いのだ。

こんなリスクについては、全く議論されていない。

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総理は、限定的なケースに限って適用し、
国会がその限定の歯止めになるというが、
これは詭弁だろう。

特定秘密保護法が施行された場合、
軍事的な緊張の高まりの詳細が公開される保証はないのだ。

こんな中で、国会が歯止めになるとは考え難いのだ。

専ら総理が、あるいは内閣が、
その判断をすることになると思われるのだが、
この点も議論不足だ。

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個別ケースの議論をする以上に大切なことがある。

日本が世界の平和維持のために、
どのような方法によって、どのような役割を果たすのか、
それを大局的見地から議論し、大きな方向を見出すことだ。

これをせずに、
個別のケースを並べ立てて議論していると、
国のあり方を誤ることになる。

2)金目でしょ
石原伸晃環境大臣が、
福島第1原発事故に伴う
除染廃棄物中間貯蔵施設建設をめぐり、
「最後は金目でしょ」と述べたと報じられている。

これに対し、
福島県の佐藤雄平知事は

「非常に残念で信じられない。
 住民の皆さんの、
 ふるさとを思う気持ちを踏みにじる発言だ」

と反発した。

知事の反発は当然だろう。

石原大臣が、
中間貯蔵施設に限らず、どんな姿勢で原発問題に臨んでいるか、
その本音が垣間見える発言に感ずる。

2年前私も、
この中間貯蔵施設建設に与党の立場で、
各県の皆さんのご意見を伺い、
環境省との調整に奔走した。

私としては、
丁寧に誠実に情報公開前提として
進めるべきだとの基本姿勢を持っていた。

補償金等の話以前の、
実に複雑な要素が絡む問題であり、
金さえ積めば何とかなる等と言うものではない。

中間貯蔵施設の必要性、
用地選定の透明性と合理性、
施設の安全性と適切な運用、
中間であり最終施設ではないことの担保など、
それぞれの県の皆さんに、
相当高いレベルでご理解を頂かなければ
一歩も前に進まない問題なのだ。

それを「最後は金目でしょ」と切り捨てられてしまっては、
何の議論も進まない可能性を感ずる。

3)武器の見本市
今年4月1日から、安倍内閣のもとで、
日本は原則武器の輸出が可能な国となった。

これを受け、
パリで16日に始まった陸上兵器の国際展示会「ユーロサトリ」に、
日本が初めてブースを設け、防衛産業を担う13社が参加している。

これまでの日本では、まったく想像もできない風景だ。

今後、日本製の武器が世界に広がる時代が来るとすれば、
日本への世界の目線が大きく変化することになるだろう。

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安倍総理は、混合診療などの導入は、
経済成長のためと言い切っている。

武器の輸出も防衛産業の育成のためという。

医療産業の成長は、
最終的には国民の健康と命を守るためのものだろう。

武器の輸出は、
日本と世界の平和を守る観点から、
適切なことなのかどうかを判断すべき問題だろう。

安倍総理の目線は、完全に間違っている。

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日本は、ワールドカップ・サッカー初戦で、
コートジボワールに完敗した。

その立役者は、ドログバ選手だ。

コートジボワールは、
宗教や地域対立が複雑に入り組んだ内戦に長い間苦しんできた。

コートジボワールが初のW杯代表切符を勝ち取った時、
ドログバ選手は和平への思いを語り、国民の心を動かしたという。

「私たちはこの国の人々がともに生き、
 同じゴールに向かいプレーできることを証明した。
 次は皆さんがやってみせてください。
 武器を置いてください」

日本はサッカーでも敗れたが、
平和への貢献でもドログバ選手に敗れているのではないか。

さあ今日も、しっかりと前進します。

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        2014・6・17
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