徒然日記

20年10月25日 その4811『逢坂誠二 の徒然日記』(6508)

一昨日、帰函し、昨日は地元活動をしております。

今年はコロナ禍の影響でイベントが
激減しているのは周知の通りです。

最近は、やっと地域の良さを実感できる
小規模なイベントがちらほら復活しています。

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昨日午後、函館市内で開催された、
調停手続相談の会場にお邪魔し、
調停委員の皆さんから、
最近の調停や相談のことなどについて
話を聞かせて頂きました。

コロナ禍で裁判所の調停の雰囲気も随分と変化していること、
コロナ禍だったが例年並の相談者が来場している、
コロナに特化した相談はなく、
例年通りの相続や相隣関係の相談が多い。

こうしたことについて、相談の邪魔にならないように注意しつつ、
やり取りをさせて頂きました。

突然の訪問でしたが、対応頂き有り難うございます。

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夫馬賢治著
『データでわかる2030年地球の姿』(日経BP)
を読みました。

発行は、今年7月1日です。

本書では、グローバル企業と機関投資家の間で
特に危機感が共有されているテーマは以下だと言います。

気候変動、農業、森林、水産、水、感染症、パワーシフト、労働・人権

これらについて、
データに基づいて次のような説明がなされます。
(Amazonの解説から引用)

◎気候変動
– 「数十年に一度」規模の災害を知らせる「特別警報」が2019年には3回も発令
-世界800人もの科学者が気候変動について指摘
-日本で豪雨発生回数が2倍以上に増加する一方、干ばつ被害も拡大する
– すでに一部の再生可能エネルギーのコストは、従来エネルギーを下回る

◎食料危機
-国際機関の予測では、世界の人口は15億~20億人増加。食料需要は伸び続ける
– 「アラブの春」の原因は小麦価格の高騰にあった
-2005年から2050年で、途上国の肉消費量は2.8倍に増加
-気候変動の影響で、米・小麦・大豆などの生産量は今後大幅に減少 

◎森林破壊
-大豆、牛肉、パーム油、木材が、森林破壊の「首謀者」
-チョコレートやコーヒーも森林破壊の原因に
-森林の減少は気候変動を加速する
-一方、日本の人工林では木材消費の減少によって「森が死んでいく」

◎漁業危機
-世界で90%以上の魚種が「乱獲」状態に
-国内養殖のためのシラスウナギのうち、6~8割が「違法ルート」で入ってきている
-気候変動が日本の漁業に大きな打撃
-「養殖もの」に感染症の危機が迫る

◎水リスク
-食料や製品を輸入に頼る日本は、隠れた「水リスク」を抱えている
-地球上で使える「真水」はわずか2.5%しかない
-東京都東部、横浜・川崎、大阪、福岡ほか日本の都市部で「水ストレス」が高まる
-イエメン内戦の背景に「水不足」あり

◎感染症
-新型コロナウイルスは変異しやすい
-致死率の高い「H5N1」インフルエンザが豚経由で生まれる危険性
-今日でもペストに対する有効なワクチンは存在しない
-温暖化で溶けた永久凍土から未知のウイルスが出現

◎世界のパワーシフト
-世界人口の大半がアフリカに
-日本の1人あたり GDPは20年間変わらず、相対的に「貧しく」なっている
-2050年には、世界の中間層消費額の54%を中国とインドが占める
-同じく2050 年、日本の中間層消費額はわずか2%に

◎労働・人権
-「強制労働」と「児童労働」をあわせた「現代奴隷」は世界全体で2500万人
-国連の指導原則への対応を、日本企業も求められる
– 日本では外国人技能実習生が「現代奴隷」になる危険も

==以下、本書からの抜粋引用==
これまでは、環境問題や社会問題といえば、やや極端な環境主義者や人権主義者、
または左翼的な活動家を連想するものだったかもしれない。
いまグローバル企業は、環境課題や社会課題を無視することができなくなっている。
対策が遅れれば遅れるほど、大きな損失リスクを抱えるどころか、
市場から撤退しなければいけなくなり、反対にいち早く対策を打てれば、強い競争力を手に入れられる。
==引用終了==

つまり企業がイメージアップや社会貢献などのために、
これらの分野に関心を持つのではなく、
これらの問題に対処する企業活動を行わなければ
生き残れない状況になっているのです。

これらの課題にどう対応しているのかについて、
企業側が十分な説明ができなければ、
投資対象とはならない時代にも入っているのです。

日本企業、そして日本社会に、
こうした認識が十分に浸透しているでしょうか。

SDG‘sのバッジをつけている方を見かけるようになり、
意識は高まっていると思います。

しかしその本質的な意味合いを深く理解し、
具体的な行動にまで高めているケースは少ないものと思います。

本書で指摘する外国人技能実習生の現代奴隷扱いは、
その証拠かもしれません。

この8分野と、本書でも最後に指摘されている
サイバーセキュリティ、 AIと倫理、格差は、
政治が今、真正面から取り組むべき大きな課題です。

個別の指摘は既知のことが少なくありませんが、
データを示し丁寧な説明がなされています。

本書を読むことによって、
総合的俯瞰的(!)な視点が得られます。

今日もブレずに曲げずに、確実に前進します。
===2020.10.25===

  
  

皆様のコメントを受け付けております。

  1. >これまでは、環境問題や社会問題といえば、やや極端な環境主義者や人権主義者、または左翼的な活動家を連想するものだったかもしれない。いまグローバル企業は、環境課題や社会課題を無視することができなくなっている。

    斎藤幸平 人新世の「資本論」 (集英社新書) を読んでいます。環境や格差について、逢坂さんが挙げられている本と同じような指摘がされていますが、解決策には驚きます。「気候変動対策として、SDG’s では、ヌルい、脱成長を目指し、資本主義をやめなければならない」というようなことが書かれていて、恐らく日本の政治家がこのようなことを言ったら、ボコボコにされるであろう、過激な内容です。しかし、このままでは地球がもたない、一部の人しか幸せになれないという指摘は突き刺さりました。

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