徒然日記

20年11月3日 その4820『逢坂誠二 の徒然日記』(6517)

昨日の予算委員会の総理答弁は、
背筋の凍る気持ち悪さを感じます。

学術会議任命問題に関する答弁は支離滅裂です。

*総理の任命は形式的なものである
*学術会議から推薦されたものはそのまま任命する
*推薦の人数はぴったりの人数で良い

以上は、1983年当時の答弁です。

2004年の法改正の際も、
「総理が任命を拒否することは想定されていない」
と総務省の資料に記載されています。

ところが総理は、
「日本学術会議の会員についても、
 必ず推薦のとおりに任命しなければならないわけではないという点については、
 内閣法制局の了解を得た、政府としての一貫した考え」
と発言します。

法制局の了解は2018年です。

法理としては、
総理に推薦の通り任命する義務があるわけではないと思いますが、
過去の国会答弁とは真反対のことを今回総理は行っています。

総理には任命権がありますが、
その任命の裁量は、
全て総理の自由裁量に委ねられる訳ではなく、
法律や国会議論、国会答弁の範囲内に限定されます。

法治国家としては当然のことですが、
菅総理はここを説明しようとはしません。

過去の国会答弁を無視し、
任命拒否の理由も語らず、
権力を行使する菅総理の姿は、
独裁者そのものです。

こんなことを認めてしまえば、
法治ではなく人治になると同時に、
自由闊達な日本の学問の場が壊されてしまいます。

特に総理は、学問の重要性を理解しているとは思われません。

税を投入しているから国民の理解が必要との論を展開しますが、
国民の関心が薄い、人気のない学問分野を守るのも税の役割です。

菅総理には、この認識が無いように思われます。

国民に理解され、すぐに役に立つ、
すぐにお金の儲かる学問だけをやっていたのでは、
社会の発展はあり得ません。

知らないこと、分からないこと、
理解できないことをやるから、
新たな発見が生まれるのです。

税を投入するから国民の理解が大事な側面と、
国民理解の有無に関わらず
広い学問領域を守るためにも税の役割があるのです。

日本学術会議の問題は、
単なる任命拒否問題ではなく、
法治国家の崩壊、日本の学問の崩壊に繋がる
重大な法律違反です。

====
また昨日の予算委員質疑で、
菅政権の原子力発電回帰への姿勢を色濃く感じます。

安全性を最優先に原子力政策を進めると総理は言いますが、
安全性を確保できないのが現実でしょう。

いつも同様のことを言いますが、
規制委員会の規制基準に適合しても、
事故は起こり得ます。

万が一の事故が起こるのが原発です。

その際に国民の命を守るためには、
安全に避難できることが重要です。

ところが日本の原発は、以下の答弁に見られるとおり、
事故が起きないことを前提に立地しています。

我が国の原子力発電所等につきましては
環境に放射性物質が大量に放出されるというような事故が発生することは
技術的には考えられない(1992年衆院予算委分科会)

2011年まで政府はこうした答弁を繰り返し行っておりました。

その結果、シビアアクシデントの際に、
迅速かつ安全に避難できる保障がないのが日本の原発です。

避難できない原発は稼働させてはなりません。

非常口のない劇場で観劇している、
それが日本の原発です。

簡単な話なのです。

今日もブレずに曲げずに、確実に前進します。
===2020.11.3===

  
  

皆様のコメントを受け付けております。

  1. わたしは騙されません!
    菅首相の所信表明や質疑での一連の答弁を聞いていると、しらじらしい気分になります。聞こえのいい言葉が連なりますが、しかし、あいまいで、ごまかしが目につきます。
    ・日本学術会議の任命拒否問題では、「悪しき前例主義に囚われない」などと言い、前例を踏襲することが悪いことであるかのような印象操作。
    ・「閉鎖的で既得権益になっている」などと言い、学術会議を悪者にするが、いったい学術会議の活動に関心を持って、提言などまともに読んだことがあるのか?
    ・「デジタル化の推進」をぶち上げるが、重要課題とする「地方の活性化」が、デジタル化でどう図れるというのか?
    ・「大胆な規制緩和」は、どんなメリットが? 誰にとってのメリットか? 一部の利権者が甘い汁を吸う政策に堕するのではないか?
    ・「不妊治療費の保険適用」。抜本的な少子化対策には目をつぶる目先の点数稼ぎ策。
    ・「2050年の温室ガス排出ゼロ」? 本気でやる気あるの?これが成長戦略になるって⁈ これまでの経済成長戦略が温室ガス排出を増やしてきたというのに、どうやって可能なのか? 3年、5年、10年先のプランを具体的に提示できないなら、絵空事にすぎない。

    国民の飛びつきやすい、聞こえのいい政策を、ただ「商品」のように並べて見せた所信表明でした。イメージ操作、誤誘導にだまされないようにします。

  2. スガ総理、金田前法務大臣の委員長のデビューは、まさに総合的俯瞰的に見てわけわからん酷いものでした。昨夕、八百屋で買い物をしていたらお客のおじさんが国会中継を見たらしく「いやあ、スガはダメだねえあれは。」と嘆いていました。
    今国会、たくさんの人が見ているようですね。明日の質疑、頑張ってください。
    (茂木さんとネクタイが被らないことを祈ってます😁)

記事に投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です