徒然日記

23年1月6日 その5613『逢坂誠二の徒然日記』(7310)

昨夕、函館市内での挨拶回りを終えて、2週間ぶりに上京しました。23日から通常国会も始まりますので、その準備のためです。都内の気温は氷点下2度。結構な寒さを感じます。空に雲は少なくクリアではありませんが、星が瞬いています。西の空低く、大きな月も見えます。日中は 9度の見込みです。今日は小寒です。

1)10年もの国債の表面利率上がる
財務省は今月発行の10年ものの国債の表面利率を、これまでの2倍以上の 0.5%に引き上げると発表しました。去年の3月までは0.1%、4月以降は0.2%でした。いよいよ金利上昇基調に入ったといえます。財務省は今年度の当初予算で、国債の利払い費の利率を1.1%と想定していますので、今回の引き上げで直ちに国の事業などに影響を与えることはありません。しかし利率が上がれば利払いが増えるのは当然のことです。今後、徐々に影響が拡大する可能性があります。

2)岸田総理の記者会見
一昨日の岸田総理の記者会見を改めて読み返しています。「異次元の少子化対策」、「賃上げ」など、言及しなければならないことが山積です。
賃上げに関し、「企業収益が伸びても期待されたほどに賃金が伸びず、想定されたトリクルダウンは起きなかった」と、これまでの政策に効果が無かったことを岸田総理は率直に認めました。そこで「この問題に終止符を打ち、賃金が毎年伸びる構造をつくる。インフレ率を超える賃上げの実現をお願いしたい」としたのですが、具体策は皆無です。
岸田総理は、なぜ賃上げが必要なのか、その本当のところが分かっていないのではないかと感じます。国民がモノを買う構造を作らねばならないのです。そうしなければ、経済活動が刺激されません。私は、アベノミクスを「張りぼて」と指摘しました。張りぼてとは、ざるやかごに紙を張って、漆・渋を塗ったものです。比喩的に、見かけは立派だが、実質の伴わないことやものをさす言葉です。
アベノミクスは、円安や株高を政策的に誘導しました。その結果、収益が上がった企業があったのは事実です。アベノミクスでは、実際にものが売れなくても収益が上がるのです。これでは本当の意味での経済の刺激にはなりません。安倍元総理は、企業収益が上がれば、トリクルダウンが起こり、賃金が上がると想定したのだと思いますが、岸田総理が認めたとおりトリクルダウンは起こりませんでした。結果的に経済への刺激にはなりませんでした。
そこで張りぼての収益ではなく、実際に国民がモノを買うことによって収益を上げる必要があります。そのためには、賃金を上げることも一つの方策ですが、賃上げは企業が行うことです。政府が賃上げの旗を振ることによって、余力のある企業が賃金を上げるかもしれません。しかしそうできない事業主もたくさん存在します。
賃上げと同時に、税制の見直しをしなければなりません。税制の基本は、担税力、つまり支払い能力に応じた仕組みにすることです。担税力が弱い客体が重税で、担税力のある客体の税負担が軽ければ消費は伸びません。これを是正する必要があります。もちろん税制は一朝一夕に変更できませんので、中期的な戦略の中で実施する必要があります。
もう一点は、国民の支出の一部を国が肩代わりすることで、消費に回るお金を増やすことです。今の私たちの社会の課題を解決できるような経費を肩代わりすべきです。現下の課題は少子化であり、教育の格差です。教育にかかる費用を国が負担することで、これらの課題に資することになります。教育に関する費用を国が肩代わりすることによって国民の皆さんの消費に回るお金は増えますし、教育への負担が減れば少子化対策としても有効です。
以前から繰り返していますが、「賃上げ」、「税制改革」、「教育費などの低減」、これを組み合わせて国民のモノを買う力を高め経済を刺激すべきです。そうすることによってモノの売れる社会となり、賃金が上げられる基盤ができるのです。もちろんDXなどを活用した生産性の向上も重要なのは言うまでもありません。
今回、岸田総理は、やっと「少子化の問題はこれ以上放置できない」と言いました。やはりこれまでは、本腰を入れず放置してきたことが伺えます。このままのペースで人口が減ると、今後の日本には暗雲が立ち込める状態となります。エマニエル・トッドなどは、以前から日本に対して警告を発していましたが、政府がなかなか本気になりませんでした。2009年、私たちが「子ども手当」を提案した際も、自民党は、ばら撒きだとして、その政策を批判していました。
ところで少子化対策を形容する言葉として「異次元」使うのは、いかにも間が悪く思われます。私には、またしても岸田総理も張りぼての少子化対策を行うように思われます。私は防衛力を点検して、キチンと機能する防衛力を構築することは極めて大切だと認識しています。そのための予算確保の議論もしっかり行うべきです。しかしそれと同じか、いやそれ以上に大事なのは、少子化対策の予算です。ところが岸田総理は、「6月の「骨太の方針」までに将来的な子ども予算倍増に向けた大枠を提示する」と言います。相当にピントがずれています。せめて防衛費と同時期に具体的な財源案と予算規模を提示すべきでした。そうすればより本気度が伝わったと思います。
対策の内容は、「児童手当を中心に経済的支援を強化。学童保育や病児保育を含め、幼児教育、保育サービスの量質両面からの強化を進める。伴走型支援、産後ケア、一時預かりなど、全ての子育て家庭を対象としたサービスの拡充」などを掲げました。これらは必要な政策だと思います。しかし私が、少子化対策でもっとも大切だと思うのが、確実で見通しのある収入の確保と生活の安定化です。ここに手をつけることなしに少子化を止めることはできません。少子化の遠因になっているのは教育の質の低下です。教育に力を入れることも少子化対策に確実に貢献することになります。

今夕、帰函し、地元活動に戻ります。

さあ今日もブレずに曲げずに、確実に前進します。
===2023.1.6===
逢坂誠二の公式LINE からご意見をお寄せ頂く場合は以下から登録をお願いします。
lin.ee/eDi8g6I

  
  

皆様のコメントを受け付けております。

記事に投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です