徒然日記
23年1月13日 その5620『逢坂誠二の徒然日記』(7317)
1)ギター殺人者の凱旋
ジェフ・ベックのアルバム『ギター殺人者の凱旋』のジャケットを見て、掛け値なしに
格好良いと思ったのは、高校生の頃です。「 She’s A Woman」では、ギターの音が人の声のように聞こえるトーキング・モジュレーターも印象的でした。傑作は『ギター殺人者の凱旋』という邦題です。もともとのタイトルは『Blow by Blow』、これは「極めて詳細な」、そんな意味だと思います。もちろんギターも、殺人も、凱旋も何の関係もありません。しかし、ジェフ・ベックという凄手のギター弾きのことを思うと、当時は何となく納得できるタイトルでした。(このタイトルについて今は滑稽にも思いますが、今なら絶対につけることのできない素晴らしい邦題です。)
その次のアルバム『Wired』も良く聞きました。「蒼き風」 (Blue Wind)、「 ソフィー」( Sophie)も懐かしいですね。1980年には『There and Back 』を発表しますが、その後の来日公演で実物のジェフ・ベックにお目文字しました。ジェフ・ベックに対しては、あえて「お目文字」と言いたくなるようなある種の尊敬の念があったのだと思います。何たって、ギター殺人者が凱旋するのですから。ステージを見た印象は、あまりにギターが上手くて唖然、呆然。凄すぎて印象が薄い、逆説的ですが、これが率直な感想でした。
大学を卒業し、ジェフ・ベックから少し遠ざかっていました。ところがある時、偶然にもジェフ・ベックのコンサートに行くことになりました。ビーチ・ボーイズとのジョイントコンサートという、理解し難い組み合わせです。飲酒可能な会場で、「カリフォルニア・ガールズ」なども演奏され、往年のギター小僧がビールやワインを手にしながら大はしゃぎしています。もちろん私もそのひとりです。 10年近く前のニューヨーク、ビーコン・シアターでの出来事です。30年ぶりにお目文字するジェフ・ベックもやっぱり凄いの一言でした。
それ以降も元気に活動していると聞いていましたが、昨朝、ジェフ・ベックさんの訃報が飛び込んで来ました。78 歳とのこと。あの頃の時代が確実に過ぎ去って行きます。合掌。
さあ今日もブレずに曲げずに、確実に前進します。
===2023.1.13===
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