徒然日記

23年2月15日 その5653『逢坂誠二の徒然日記』(7350)

夜明け前の都内の空全体に雲が広がっています。ちょっと雲の薄いところはありますが、星は見えません。気温は零度で多少風があります。日中は8度で晴れの予報です。
今日は予算委集中審議です。テレビの生中継があり、総理も出席します。立憲民主党の質疑は午前 11時6分からです。枝野前代表がトップバッターです。

1 )規制委員会の独立性の破壊
改めて岸田政権の原発政策の進め方は異次元の異常さを孕んでいます。それは原発推進派にとっても、原発否定派にとっても不都合なものです。
3.11以前は、原発規制と原発推進が同じ役所に属したことに加え、規制する側が規制される側の論理に取り込まれて無能化する「規制の虜」が起きたこともあり、日本の原発は完全な安全神話の中に落ち込んでしまいました。 3.11事故の要因の一つは、ニセコ町長時代に泊原発の避難計画を策定できなかった体験も含め、これだと私は考えています。だからこそ、推進側(経産省、エネルギー庁)から独立した規制委員会が発足したのです。
規制委員会の活動原則には「独立した意思決定」「透明で開かれた組織」を掲げられています。ところが今回の原発運転期間の見直しに関しては、この独立性が完全に破壊されてしまいました。規制委員会で議論を開始する前に、規制と推進の事務局が連絡を取り合って、内緒でその内容を検討していたのです。もちろん内緒ですから、そのことを規制委員会にも知らせませんし、情報公開を求めた国民にも嘘をつき続けたのです。
12月21日にこの密談が発覚すると事務局は、「エネ庁とのすり合わせはしていない」と強調したのですが、その面談の記録もなく実証できません。検討の過程で作った内部資料は一部(?)公表したものの、法改正のメリットやデメリットなどに関する記載は「国民の間に混乱を生じさせる」と黒塗りのままですし、推進側であるエネ庁の資料は非公開です。こんな実態で何を信じろと言うのでしょうか。
3.11以前と違って、原発事故が発生するのは推進側も認めています。だからこそ、推進側にとっても確実な規制が大切なのですが、その独立性が壊されました。
そもそも政府は、国民の意見を聞く気がありません。閣議決定と同時にパブリックコメントの概要を公開しましたが、決定内容は原案とほぼ一緒です。1月からは「全国説明・意見交換会」も始めたのですが、今後の 6箇所分は閣議決定後に開かれるのです。単なるガス抜き、聞いたというアリバイづくり以外の何ものでもありません。
仮に今回、運転期間を見直すにしても規制委による厳格な審査が前提になるべきものですが、規制委がこの審査基準を決める前に、政府が判断を急ぎ、規制委もそれに追随しました。規制委員会は完全に、原発を推進する政府の追認機関になったのです。
原発はゼロリスクではありません。事故発生が発生します。そんな中で規制が機能しなくなることは原発推進側にも不都合なことなのです。
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推進するにしても、原発を止めるにしても、なぜドイツのように情報を公開して、多方面からの議論が我が国はできないのか本当に理解できません。以前、ドイツでの議論方式に言及したことがありましたので、今日は深くは言及しませんが、ドイツは科学的技術的な側面からだけで脱原発を導いたわけではありません。倫理や宗教などの観点からもアプローチして、脱原発を決めたのです。日本ではなぜ、毎度毎度、資料を隠し、密談を行い、嘘を言い、そんな中で重要事項が決まるのでしょうか。こんな国の国民であることが本当に恥ずかしく思います。

さあ今日もブレずに曲げずに、確実に前進します。
===2023.2.5===
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