徒然日記

非正規から正規へ/逢坂誠二 #7818

【24年5月28日 その6121『逢坂誠二の徒然日記』#7818】
午前4時の都内は、薄雲が広がっていますが、雨は降っていません。気温は21度程度です。日中も雨か曇りの天候です。予想最高気温は26度の見込みです。

1)非正規から正規へ
日本の非正規雇用者数は、1992年の959万人(20.6%)から2023年には2124万人(37%)と増えています。(カッコ内は雇用者総数に占める非正規雇用の割合です。)

30年ほど前、雇用者全体のうち非正規は2割程度だったのが、現在は4割近くになっています。

非正規雇用は、経営者の立場では悪くないものなのでしょうが、社会全体に悪い影響をもたらし、最終的にそのことが経営者の首を絞める結果になっています。

足元だけを見れば、賃金が安く、雇用の調整がしやすい非正規は経営には好都合だったはずです。しかし、非正規雇用が社会全体に広がった結果、国民の所得水準が上がらず国民全体の購買力を奪い、個人消費が伸びないことの一因になっています。また非正規の方々は、望んでも結婚しにくい(現に婚姻率は低い)状況にあり、少子化の一因にもなっています。

個人消費が伸びないことと少子化、このことが日本全体の経済の足を引っ張っています。つまり当初は良かれと思って非正規を増やしたのですが、そのことによって社会全体が不都合な状況となってしまったのです。

したがって望む皆さんが、少しでも正規雇用へと転換できることが重要です。

昨日ある方から、非正規雇用率改善に関わる提案を頂きました。

ポイント:
期限付き雇用、または非正規雇用の契約が満了した時点で、雇い主は、就労期間中の全賃金の10%(またはそれ以上)の退職手当を支払わなければならないこととする
(一般的に非正規雇用に退職手当はありません。)

根拠・理由:
企業にとって、期限付きの労働者を雇いつないでいくと損になる仕組みを設ける。どうせ人を雇い続ける必要があるのならば、正規雇用にした方がかえって人件費は安くなる仕組みを作る

この出典は、「日本とフランス 二つの民主主義」(薬師院仁志、光文社新書、Page 216~218)とのことです。

一考すべき対策だと思います。

またこの本は、他にも参考すべきことがありそうです。

貴重な提言を頂きました。有り難うございます。

さあ今日も、ブレずに曲げずに、確実に前進します。
===2024.5.28===
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皆様のコメントを受け付けております。

  1. こんにちは。

    非正規雇用の拡大は小泉・竹中改革の最大の失敗ですね。
    彼らは、責任を取るべきです。

    失敗をそのままにしていれば、当然、「個人消費が伸び
    ないことと少子化、このことが日本全体の経済の足を引っ
    張っています。つまり当初は良かれと思って非正規を増やし
    たのですが、そのことによって社会全体が不都合な状況と
    なってしまったのです。…望む皆さんが、少しでも正規雇用
    へと転換できることが重要です。」という事になります。

    そもそも、自由に自己実現できる職業に就くことが出来るのは、
    極一部の高度な能力を持った人々に限られます。しかも、それが
    社会にとって意義があるのは、その社会が”豊かな社会”である
    ことが前提だと思います。貧しい日本社会、それも長々と低成長
    の続く社会で採るべき道ではありません。

    また、高度な能力を持った人々ですら、この国では非正規雇用で
    望むポストに就くのは狭き門。それどころか、そうした人々の
    一部である大学教員ですら、運不運に生活と将来を左右され、
    未婚のまま当てもなく漂う世の中になってしまいました。

    あれこれこまめな対策を講ずるよりも、一律、「非正規雇用
    を前提に人を募集してはならない。」とするのが最も効果的で
    賢明な策だと思いますよ。

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