徒然日記

2月21日 その2010『逢坂誠二の徒然日記』





函館は、明るい朝を迎えた。



気温は低く、夜明け前には

マイナス10度程度まで下がっている。



昨夕帰函したが、

夜半過ぎまで吹雪模様の天候だったが、

今日は多少、落ち着くようだ。



日中は、マイナス5度程度の見込みだ。



厳しい冬はまだまだ続く。





昨夜は、異業種交流会の例会に出席している。



いつも多くの皆さんに、

さまざまな刺激を受けている。



感謝、感謝。







1)なぜTPPなのか?

安倍総理は、TPPに関し次の発言を繰り返している。



「聖域なき関税撤廃を前提にする限り反対」



ならば、TPPではなく、

FTAやEPA交渉に入るべきではないのか?



個別関税の議論をするなら

TPPでなくても良いはずなのだが・・・。



これまでの安倍総理の発言からは、

TPPに拘る真意を明らかにしているとは言い難い。



例外的な関税を認めることを前提にTPPに参加するというが、

それはTPPの考え方と矛盾している。



TPPに拘る安倍総理の本当の意図を知りたいのだが、

衆参の予算委員会で、そのことを質問した方は、

どうも見当たらないようだ。



その理由は、

質問者自身もTPPを単なる貿易問題ととらえ、

特に農業問題と考えているからかもしれない。



もっと俯瞰し、全体を像を見ながら、

TPPの是非を議論すべきだ。



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安倍総理は、例外的関税を設けると同時に

「国益を守る」とも言っているが、

総理の言及する「国益」とは何か、

これも明らかではない。



国益とは、なかなか難しい概念だ。



どういう時間軸の中で、

どのような国益を守るのか、

これは国のあり方に関わる問題だ。



この国益のあり方を明示しないで、

単に「国益を守る」と述べることは、

何も言っていないのに等しい。



予算委員会は、まだ続くのだろうから、



・なぜTPPなのか?



・どんな国益なのか?



この二点をもっと明確にする議論を期待したい。







2)余裕

父の遺品の中に、

書道入門者用の筆があった。



父が使っていた、本格的なというか、

高額らしい筆などは、

私が書道をやらないこともあり、

幾人かの方に形見のような形で、

贈らせて頂いた。



半紙や墨汁などは、まだ残っているが、

筆はもうないと思っていた。



ところが思いがけず筆が出てきた。



几帳面な父は、書道はもとより、

普段書く字についても、

極めて厳格だった。



綺麗じゃなくても、

キチンとした字を書かなければ、

厳しく叱責されたものだ。



そんな父のへの反作用だと思うが、

文字は読めれば良い…、

私はそんな主義だった。



父は、近所の子どもたちを集めて

書道教室を開くほど、

書道にのめり込んでいた。



私は、書道と一切の係わりを持ちたくはなかった。



中学時代、書写の課題で

「誠実」という二文字を書いて以来、

まともに筆を握ったことはない。



字は読むことができれば良い…、

それを貫き通してしまったのだが、

父も極端だったと思うし、私も極端だった。



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一昨日、入門用の筆を見つけて、

筆を握ってみようかと、ふっと心が動いた。



まともに字が書けるはずがないことは、

分かり切っているが、

とにかく筆を持つ気になった。



新品の筆を柔らかくしごいて、

たっぷりの墨をつけて半紙に向かう。



40年前の感覚が蘇る。



ああ、書道って、こんな感じだったなぁ。



入門したての子供よりも下手くそな墨の跡が、

バツが悪そうに半紙をのたうち回っている。



のたうち回るほどなら、まだ良いが、

子どもの落書きよりも惨めだ。



人に見せられるようなものではない。



半紙も墨汁も、たっぷりある。



意を決して、もう一度、筆を握る。



今度は、もう少し、

上手く書けるのではないか…。



もちろん何度も書いても、

上手く書けるはずはない。



下手くそだが、書けば書くほど、

上手くなるような錯覚に陥る。



もう少し字を小さく、

もっとバランス良く、

色々と思い巡らしながら、

繰り返し半紙に向かう。



40年間、書道を避けていた、

その不義理を埋めているわけではないが、

書き損じの半紙が

10枚、20枚とゴミ箱に丸められる。



書き損じとは、酷い言い分だ。



上手く書ける人なら、書き損じもあろうが、

私の場合は、損じたわけではなく、

もともとそれしか書けない。



上手く書けるはずはないと思っても、

半紙に立ち向かう気持ちが続く。



あれほど避けていた書道だが、

惹き込まれている。



そんな自分を見て、おかしくも思う。



父が生きているときに、

一緒に書道をやっていたら、

どんなことになっていたのだろう。



結局、50枚も書いただろうか。



最初のひと筆よりは、

ちょっとはまともになったかもしれないと思うが、

でもやはり酷い。



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今回のニセコ訪問は、

いつ終わるとも分からない父母の遺品の整理が、

一つの目的だった。



別にいつまでに行えば良いというものでもないため、

余裕を持って、色々な資料などに目を通すことができた。



筆を持つ気になったのは、

その余裕の賜物なのかもしれない。



考えてみれば、この2日間で、

数人の方に葉書も出させて頂いた。



数年ぶりにコーヒーも挽いた。







3)神田薮蕎麦

私は、自他ともに認める

無類の蕎麦好き、麺好きだ。



一昨夜、神田の薮蕎麦が燃えたという。



どの程度の火災だったのかは分からないが、

相当な被害だったようだ。



あの界隈は、戦時中の戦火にも耐え抜いた、

独特の風情が漂う地区だ。



そんな地域での火災だし、

「薮蕎麦」は、「まつや」と並ぶ老舗だ。



味の良しあしは、

人それぞれ、色々な評価があるのだと思うが、

あの老舗の醸す風情は何にもかえ難い。



ぬる間で、ふやけた天ぷらをつつくもよし、

熱燗で、さっぱりとざるを手繰るのも良い。



とにもかくにも、

燃えてしまったことが残念でならない。







さあ今日も、しっかりと前進します。

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     2013・2・21 Seiji Ohsaka


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